入院されたと聞きました。

  なかなか時間が取れず、見舞いに行くことができなかったのですが

  それでもようやく早めに仕事を終え、見舞いに行くことができました。


  「遅くなってごめんなさい」

  変わりはてた姿に内心驚きながらも声をかけた。


  静かに目を開き、しばし私の顔を見つめたあと

  一段と大きく目を開いてくれましたね。


  ありがとう・・・。


  私は涙をこらえるので必死でしたよ。

  貴女は笑顔を見せることもできなくなっていたけど

  私との約束はちゃんと覚えていてくれましたね。


  ありがとう・・・。


  溢れる涙をこらえきれずに

  「また来るね」の言葉を残し病室を出たとたんに

  涙が流れてしまいました。


  それから数日が経ち

  夜に買い物していると、親戚の方に偶然会いました。

  今では、プリンのような食べ物を食べるようになったと聞きました。


  次の日、早速貴女に会いに病院まで行ったのですが

  病室は空っぽ・・・。

  ナースステーションで確認すると退院したと聞き

  家まで行きました。


  貴女はもう・・・

  起き上がることのできない深い眠りに入ってしまっていたのですね・・・。


  ショックでした。


  でも、貴女の表情はとても安らかな表情でした。

  その表情に私はショックが和らいだように思います。


  貴女に手を合わせたとき

  こう、聞いたのです。


  「私と知り合って幸せでしたか?」

  私は、幸せでした。


  最後に貴女へ・・・ありがとう。