彼女の部屋で見つけた 

赤い本と緑の本


僕は気になった

だから

彼女に聞いてみたんだ





赤い本と緑の本があるけど

誰の本なの…







ニューヨークで

もらったのよ あなたから

なんども何度も 読んだわ…





僕は言葉を失くした…



忘れていた記憶が一瞬で甦る

赤い本と緑の本

ぼくは同じ本を持っている

ぼくの本は二度目にニューヨークで買った本



初めて買ったのは大学生だった

赤い帯と緑の帯が付いている本を大学生協の書籍部で見つけた

話題の本だったからすぐに手に取って読み始めた

赤い本と緑の本 一日で読み終えた

大好きな本になった




だから

だから



大好きだった彼女に

赤い本と緑の本をプレゼントした





赤い本と緑の本

僕はどこでもない場所のまん中から
緑を呼びつづけていた。


で終わる小説なんだ