眼鏡屋に行った。
久しぶりに眼鏡を新調しよう!なんとなくそう思ったのだ。

お店について色々な眼鏡を試しがけ(なんて言葉ある?)をする。
僕は優柔不断なのでなかなか一つの眼鏡に決められない。
鏡に映った自分を縦横斜めから首を動かしながら確認する。
あれでもない、これでもない。
何個も試しがけをしているとだんだんと感覚が麻痺してきて
どれが自分に合っているのかがわからなくなってくる。

こんな時第三者がいてくれると意見を聞けるのになと思う。
店員さんに聞くという手もあるけれど
向こうも客商売だから
「いやー、これはお客さまには似合いませんねー、ところでこれなんかどうです?ちょっと他のヤツよりも高いこれ。これはもぉ、バチバチにお似合いでございますよ」
なんて心の声を浮かんできてしまって素直に聞くことができない。
そもそも店員さんが薦めてくれたものを断れずそのまま買ってしまいそうだ。


ところで最近は韓国の影響からか、ちょっと丸い形の眼鏡をよく見かける。
僕にこのちょっと丸い形の眼鏡が似合うのかよくわからないけれど興味本位でかけてみたりする。
似合っているような、似合っていないような、なんとも不思議な心地。

眼鏡というのは不思議なもので、
○だったり□だったり▽だったり、色々な形があるけれど
フレームが変わるだけで顔の印象がガラッとかわってしまう。

どうせなら自分に合う眼鏡をバシっとかけて
顔の一部として毎日を生きていきたいわけなんだけれど、
どうもこのちょっと丸い形のこいつが気になる。
この気持ちの揺さぶられかたはなんだ、韓流恐るべし。

探すのにも疲れてしまったこともあるが、
僕は好奇心と冒険心をくすぐられて丸いこいつを購入した。
ここ最近視力も落ちてきたので視力検査もしてもらった。
もうあとには戻れない。


「眼鏡をかけて帰ります。」
お店の人にこう伝え、そのまま店を後にした。
家に帰る道すがら、道に止まった車の窓ガラスに反射した自分だったり
店のショーウィンドウに反射した自分だったり
その先々でうっすら反射するちょっと丸い形の眼鏡をかけた自分の姿を確認する。
まあまあいいんじゃないのかな?
そんなことを思いつつ家へつく。


そして時間が経ってあらためて眼鏡をかけた自分を見てみる。
違和感しかない。


そして昨日までの眼鏡をかけてみる。
なんていう落ち着きだ。
まるで田舎のじいちゃんばあちゃんちの縁側で花火を眺めているかのような果てしない落ち着き。
ああ、自分にはこの丸い形は似合わないんだ、と重大な事実に気づく。


服のように眼鏡も返品できるものならいいのにな。
まったく。とんだ12月24日ですね。


というわけでみなさんメリークリスマス🎅