ボーカルマイク(ダイナミック)を利用した,アマチュア無線用スタンドマイクを作成しました。アイコムのIC-7300に使用します。IC-7300はハンドマイク(HM-219)が添付されていますが,ダイナミックマイクを接続するには,アンプが必要です。

1.機能など

  • まず,マイク本体ですが,Beringer のコストパフォーマンスのいい,ボーカルマイクXM8500を使用しました。
  • ケースはタカチのアルミダイキャストTD10-13-4Nを使用しました。これは加工がしやすくしっかりとしています。いろいろと改良を重ね,あちこちに不要になった穴がありますが,アルミ板をあてがって,再利用しています。マイクの取り付けポールは,別の製品のものを使用しました。
  • 機能は,① ダウンボタン,②アップボタン,③Low Cut(低域カット)スイッチ,④送信スイッチ(上に倒すと送信ロック,下に倒すとPTTで離すと受信状態に戻るスイッチを使用),⑤マイクゲイン調整ボリウム,⑥送信,受信表示LED,⑦ヘッドセット用3.5 ジャックなどを有します。
2.回路
 マイクアンプは,オペアンプや,ALC内蔵モノラルマイクアンプNJM2783を使ってみましたが,最大の難関であった,高周波の回り込みに対処できず,結局のところトランジスタ一個のアンプに落ち着きました。
  •  ダイナミックマイクのスタンドマイクですが,全面に,パソコンチャット用ヘッドセットを利用できるよう,3.5mmジャックを取りつっけ,ヘッドセットのマイクプラグを差し込むと,ダイナミックマイクアンプの出力を切り離し,ECMマイクが繋がる仕組みです。もともと,IC-7300のマイクプラグには,直流バイアスが印加されており,そのまま使えます。ヘッドフォンには,マイク端子からの受信出力が印加されます。
  • 送受信表示には,赤,緑のLEDを使用しています。送信時はPTT端子で赤色点灯,受信時(スケルチオープン)時には,マイク端子のBusy信号を利用して緑色に点灯します。
  • LowCutスイッチですが,適当にカット&トライで0.1μFと33kΩの時定数にしました。根拠はありません。Hi
  • Up/Downボタンですが,私はバンド切り替えなどはあらかじめメモリチャンネルを設定しておいて,IC-7300のマルチダイヤルで切り替えてバンド,周波数変更していますが,マルチダイヤルを乱暴に回したせいか,ロータリーエンコーダを壊してしまい,部品を取り寄せて,苦労して交換した経験があり,できるだけUp/Downボタンで操作するようにしています。
3.内部
  電子部品はやはり,タカチのTNF69-101スルーホール基盤をつかっていますが,いろいろな試行錯誤でつけたり,外したして半田後が残り,みっともない姿になってしまいました。スイッチ,マイクコネクタなどとの接続はナイロンコネクタを使用しています。
4.調整
  調整は,これといったことはありません。送信出力をダミーロードに切り替えで,マイクレベルを40%程度,コンプレッションをOffして,IC-7300のメーター表示を送信出力に設定します。マイクに向かって通常の音量と距離で送話します。送信出力がピーク値を表示する位置に,マイクゲインのボリウムを設定します。この時の通過型パワーメーの表示は,ピーク値の50~60パーセント程度を表示になると思われます。
 
以上,結構苦労して作成しましたが,なんていう事になってしまいました。私のシャックの環境は劣悪で,回り込みが多く発生するようで,アイコムのダイナミック・スタンドマイクも購入して使ってみましたが,やはり回り込みに対処できず,手放してしましました。
(2023-12-31)