まずこれを見て欲しいです。




1970年、新居猛氏(1920〜2007)によって生み出された椅子。

実は父、一級建築士という職業柄、椅子がかなり好きで、家にはいつも変わった椅子が絶えない家庭でした。

いわゆるブランド物ではなく、本当に納得した椅子を何十年単位で愛でて来ました。


このニーチェアは、何と家族四人分、購入。

それぞれが持っていました。


今更のように、野暮な好奇心から検索したら、一脚当たり、とんでもない値段で。

それを4脚。

本体一脚¥49500、オットマン¥28600

合計¥78.100。

それを4脚。¥312.400。にもなる。


買ってもらった当時は値段など知らずにただ喜んで使い回していました。

しかし、ボクが離婚する際、持ち出す事は叶わず、現実が憧れに変わってしまいました。

それから約20年。


狭い部屋ばかり住んでいたのでむしろなかったほうが良かったというのが本音だが、

今回の引越しで、何と、父、ご愛用のニーチェアを予告なくいきなり運ばれて来たのです。

予期せぬサプライズ。

歴史をご覧ください



仕事柄、日時を刻む癖のある父。

1983年3月7日に¥16.000で購入。(安い!)

9年後の1992年7月5日に張り替えています。


しかし現状は、これ



ネジは錆びきっており、



パイプもこのとおり



やはり経年劣化にはかなわないようだ



この痛み具合、今までカブのリペアで、四苦八苦しながら培って来た技術がひょっとしたら生かせるのではないか?


何だかドキドキして来ました。

39年ものの椅子。

さっきも、ふと、座ったら、早、2時間うたた寝してしまいました。

ものすごく座り心地が良い。

オットマンに脚を乗せたらもう、夢心地。


このサビやらパイプの痛みやら。


久々に熱が沸いて来ました。


父の形見分けとでもいう、ニーチェア。


まだ、目が見える内に、ピカピカに磨き上げて、見せてあげたい。


そんな目標が出来ました。


これも、形の無い親孝行かも知れませんが、

室内で出来る作業。


暑い夏にはぴったりです。


引越しのやり切り感による、燃え尽き症候群になりかけていた自分に、新しい目標が出来ました。


また、前向きになれそうです。