MAAYA -1

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大きなマイホームに車、バラの花の生い茂る庭、端から見ればアメリカンドリームを手にし幸せな生活を送っているかのように見える3人家族の父、レスターは家庭生活も仕事も嫌なことだらけ。おまけに長年勤めてきた広告会社はリストラを行っている最中で日々彼の不満は募るばかりだ。
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働いている妻との仲はとっくに冷えきっていて、実態のない結婚にレスターはうんざり気分。彼女は人から成功しているイメージを保つため、そして人の羨む物や生活水準を手に入れようと社会の理想ばかり追いかけている。そんな彼女の価値観は生活の至る所に影響を及ぼし、お金や社会通念的な成功に貪欲である。
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かたや、滅多に口を利かない娘のジェイニーは外見にコンプレックスを持っているため、隠れて豊胸手術のための貯金をしている。彼女は仲の悪い両親が嫌いだ。

しかしある日、転機は訪れる。それは娘の高校で行われるバスケの試合のためのチアリーディングを妻と一緒に観に行った時のこと。チアリーダーの女の子達が一斉に踊りだすと彼はそのうちの一人に一目惚れしてしまう。突然、娘の友達にアンジェラ恋してしまったレスター。この日をきっかけに彼は昏睡状態から覚めたかのように人生を取り戻し始めることに!?レスター覚醒 !!
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「アメリカンビューティ」という題の通り、作品を通して、 世間一般によって規定された例えば「美しさ」によって本当に美しいものが見えなくされていることに気づかされたり、 世間の求める人間像に個人があてはまらないから悩んだり、むりやり四角を三角にはめようとするかのように合わせようとしすぎるために苦しんだりと、社会の求めるものと個人が本当に欲しいものとの葛藤が垣間みられ、客観的にみることによってその「社会VS個人」の可笑しさに気づかされたりします。


(好きなシーン紹介)

アメリカンドリーム的な価値観に縛られるあまり、生きることよりも「物」の方が大切になってしまったキャロラインの価値観が顕著に表れていると思うシーン↓
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1娘に怒るシーン
娘にビンタしてから,彼女に対し持っているものや家に感謝するよう怒るシーンがあるんだけど、物をあげたから感謝しなさいっていうこのコメント自体から、むしろ「物」しかなくて愛のない生活が伺える。
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2ビールこぼすわよ!シーン。
これは娘が不在の時レスターがよりを戻そうと彼女(妻)に言いよっていたところで
いい雰囲気になっていたのに「レスター、ソファーにビールこぼすわよ」と言う。
ここから発展する夫婦の口喧嘩は名場面!(日本語訳するとたぶんこうなる→「これは人生じゃない、これはただの物だ。おまけにお前にとってはこれが生きることより大事になってしまった。ハニーそんなのおかしいよ」っていう台詞は最高です。

リキーとジェニー↓

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ジェニーと同じ高校に通っていて、ジェニーの隣の家に住むリキーの家族はちょっと変わったお父さんがすごく厳しい一家。彼はビデオを撮るのが趣味で、親に隠れて麻薬を売っている少年だ。
そんなリキーがとったあるビデオを彼女にみせるのだが、それは風の中を踊るように舞う袋の様子を撮影したものだった。
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このシーンからは彼が自分の感性で美しさを感じとれることがわかるし、彼の見つけた美しさに感動できる、なんとも言えない素直さが素敵だ。個人の気持ちや考え方が人と違っていても自分でそれを受け入れられて、自分で選べる姿勢がいい。


他に考えたこと。(超ネタバレ)
レスター娘の友達と恋するのはもちろん、彼は若い頃やっていたことのある麻薬に手をだし、
昔聞いていた音楽を聞いたりする。筋トレを初め、新しい車も買う。
恋しだしてからはよくアンジェラの妄想をするようになるのだけれども、
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この行動やレスターの、若い頃はパーティにいっては女と遊んでいて、人生もこれからだったという内容の台詞から、若い頃の自分、一番楽しかったころにの自分のやっていたことをやろうとしているんだろうな~と。
後、アンジェラのことで考えたことは、彼女はジェニーの前でいつも色んな男に口説かれた話とかセックスした話をしている反面、実は処女であることを隠しているんだけど、口癖のようにいう「普通であることより最悪なことってないと思う」からしても、この子は本当に自信がない子なんだなと感じた。
リキーのお父さんも自分がゲイであることを自分で受け入れられずに生きているし、
自分の気持ちを否定して噓の自分をつくるって大変。この映画は他に好きなところいっぱいあって全然ここでは語り尽くせないけど、すごいおすすめ。必見だよ!