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マークロスコ(1903-1970)


マークロスコはロシア生まれけれども後にアメリカへ移り住んだアメリカの画家で、抽象表現主義のメジャーな画家の一人です。この抽象表現主義って言うのはものすごく単純に言いかれば抽象的な表現をするっていうことなんだけど、何かはっきりとした物体を描いているってことではないの。例えばお花ならお花をたくさん描くだとか、景色を描くなら山を描いて、川を描いてっていうタイプではないってこと。
大きなキャンパスに1色、2色、3色と作品によって色を組み合わせて、その色の分量や位置、その色そのものを主体にしその組み合わせによって彼は人の心が感じる感情を表現しようとしたみたい。
人は心の状態によっても見えてくるものの印象が変わるけれど、そんな心を通してみる景色でなく
心そのもののを表現するっていうアイディアは抽象表現主義がまだ新しかったころには斬新な考え方で、その考えやコンセプトそのものがモダンだった。
彼の作品はある種スピリチャルだとも言われていて、それはそう言われているだけあって、説明し難く、謎が多いとも言える。彼はアフリアのアートを集めていたり、子供が観る世界をどうイメージとしてとらえるかを考えてたりなど
原始的な人の本来の在り方や、人の心の状態から真実を探し、そういったところからも触発されてそれをキャンパスへと映しだした。
彼が有名になったのは40年代頃。けれども有名になっていくに連れ、自分の作品が世間に理解されていないという思いや孤独感から、鬱になってしまうのである。70年代には病気や私生活のトラブルなどもあり自殺。
彼は多くの作品を残していて、こういう作品は好きかどうか本当に人それぞれだと思うけど単純に色を並べた作品ではない。近くでもれば色と色の境界線がぼかしてあったり、色が何層にも重なっていたりと近くでみるのと遠くで観るのとでは違う体験の出来る絵でもあると感じる。
個人的な趣味や趣向やタイミングの問題でどの作品が良いか悪いかって受ける印象も違うと思う。私は「それがそこにある」ことによって出来上がる空間もすごいけど
自分の心と繋がる作品に出会えれば、それはたまらなく貴重な経験ではないかと思う。
ロスコの作品はスケールも大きいから色の海へと潜り込むような気持ちで観たい。




$ MAAYA -orche and red on red
「orche and red on red」1954年

抽象的であるが故に視覚的な障害はなく、感情にダイレクトに届きインパクトのある作品。
柔らかい縁取りによってまるで色と色が交わっていくかのようなやわらかさを持っている。

$ MAAYA -white and greens in blue
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「No14.white and greens in blue1957年」


 MAAYA -2
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「seargam murals 1958」
ニューヨークのseargamというビルのfourseasonsのレストランに飾るためにつくられたが、作品が来る人に理解されないだろうし作品に適した環境ではないという考えからもらったお金を返して作品を取り戻したという裏話もある作品。マルーン色で構成されていて暗い印象を持つ。
DIC川村記念美術館にて展示されているそう。