自分との闘い。
闇に支配された私の心は
そう簡単には消す事が出来ず、偽りの自分を出し、まわりには仲の良い父娘を演じてました。
苦しそうにしている父。
父の病気は日に日に悪化していった。
『天罰なんだ。悪い事をして来た罰なんだ。』
散々、家庭を苦しめ自分だけ楽しく生きていたから罰が来たんだ。
私はそう思いながら、苦しんでる父の横にいた。
日に日に変わり果てる父の姿。
看病が1ヶ月を過ぎた頃、父から話された。
父…『すまない。お母さんの事を頼む。もう俺は駄目だ。…。お前にしか頼めない事がある。愛人○○に連絡をして、会ったらカードやら印鑑などを受け取って欲しい。お母さんには内緒で、…頼む。』
…ハァ~?…
と心の私が溜め息をした。
私…『何を言ってるの?自分が退院したら愛人と会って自分で取り返せばいいじゃん!!』
父…『もう俺は駄目だ。長くない。…天罰だな。お前には本当に迷惑をかけた。悪かった。許して欲しい。お母さんを頼んだよ。』
病気が悪化して苦しく、話すのも辛そうな状態。
酸素マスクを外しながら話した父の言葉。
謝罪されたように聞こえた。
その時
何故か私の心が動いた。
死なすものか!!
生きて罪を償え!!
自分で後始末しろ!!
父を拒絶してたはずなのに、生きろと思った。
母のために生きてくれ。
もう私はいい。
これ以上、母の悲しむ姿を見たくない。
馬鹿、馬鹿、馬鹿…。
お父さんのバカ!!
看病をしていたあの頃の私は素直な気持ちを表現出来なかった。
偽りの自分…心の闘い。
闇を背負った娘としての自分しかいないんだ。
そう思っていたのに……。
違っていた。
ただ、だだ、私は父に愛されたかっただけなんだ。
自分の落ちた心の闇を父のせいにしたかっただけ。
私が弱かっただけ。
いつの間にか拒絶してた自分がいなくなっていた。
父の入院中、愛人に会い行き父の物を受け取った時に愛人から父の優しさを知らされた。
まだ私は恨んでいた。
なにか、拒絶や憎しみとは違うなにかに心が押し潰されそうになっていた。
私の知らない父を知っている愛人。
愛人から許して下さい。
彼を(父)恨まないで下さい。
と言われた時は、複雑な気持ちでいっぱいだった。
それは、父の亡くなる1週間前の心境だった。
私は苦しかった。
母に話そうか、悩み考え、夜も寝れなかった。
父には母に言わないでくれと言われた事。
母を頼むと言われた事。
父との約束はこれが最後になった。
父の命は2ヶ月の闘病生活で幕を降りた。
長いようで短い最後でした。
父の亡骸を前に、私は泣いた。
父を恨み、拒絶し素直に生きれなかった自分に泣いた。
そして後悔をしていた。
自分の気持ちに気が付くのが遅すぎたね。
父が死をもって、身体をはって教えてくれた事。
父の死で私は目が覚めた。
今度は私が命をかけて償う番だと。
『イラナイ子』から『必要な子』になる。
母を苦しめた自分が今度は償っていかなくては。
そして父親に言えなかった『ありがとう』を言える子に。
7年前。
本当に自分が変わった年。
毎年父の命日には
『優しくなくてごめんね。命をくれてありがとう。』
私の懺悔の言葉を伝えてます。