大阪で働いていた頃の先輩と久しぶりにランチした。
中之島のハイソなビルで美味しい食事とお茶をいただきながら、楽しい時間を過ごした。
話は尽きなかったが、先輩は適当な時間で時計を見ると、
「また、いきましょう!」
と切り上げ、私達は別れた。
大手広告会社で60歳を超えた今も在宅勤務で仕事を続けられているが、休憩時間はきっちりと守る。
それが大手の風土であった。
それに比べ、私の今働いている会社は自由だ。
在宅勤務の比率もあってないようなものだし、休憩に何時間いっているか誰も管理していない。
そっちの方がいいじゃないか、という声が聞こえそうだが、ちゃんとした会社で働いてきた人間には、ちゃんとした風土が染みついているのだ。
だから、勝手な働き方をしていてはどこかでばれるんじゃないかと考えてしまう。
しかし、同僚のKちゃんは、朝は子供の送迎で10時頃から仕事を開始し、17時頃になったら子供のお迎えで仕事を終える。
そんな働き方をしていては月間勤務時間が足りなくなるんじゃないかと思うものだが、Kちゃんは自分をはるかに超える残業時間を申請していた。
おそらくだが、子供を送迎している時間は休憩ボタンを押していない。
そして、子供が寝静まったあと仕事をちょっとする時間まで勤務時間になっているのだろう。
そんな働き方をしていても、マネージャーは何も言わない。
子供がいる人にとっては天国のような職場で、Kちゃんはいつもイキイキしている。
私はそこまで堕ちた社会人にはなりたくないけど、一度心を病んで、戻ってきてからはKちゃんをコピーすることにした。
例えば、Kちゃんが仕事中に「夕飯すませちゃいます」と言うと、私も同じようにした。
Kちゃんが仕事を手伝わないと、私も手伝わないようにした。
Kちゃんが不愛想なチャットを送ると、私も同じ文言を返した。
なんでもかんでもコピーする。
そうするとずるい人間がずるくなれなくなってきて、面白くなってきた。
チームの風通しが悪くなってもいい。
それは管理していない会社に責任があるから。
中小企業を生き抜くコツは、ずるい人間をコピーすることだ。
以前の私は大手出身の風を吹かせて、さすがだと言われることに自己満足していただけで、結局何も評価されなかった。
中小企業は生産性うんぬんより、正論とはいえなくてもイエスと言い、残業や休日出勤をいとわない人が評価される。
メンタル弱者にとって残業や休日勤務はしんどいものだが、適当にサボり、つらくなったら休職することだ。
部署が合わないと思ったら、自分から合いそうな部署に直接働きかけることだ。
会社は何もしてくれないと思ったらいい。
中小企業は適材適所なんて配置をしている余裕はない。
主治医に自分の思い描く診断書を書いてもらい、自分で自分を守る道を創っていく。
それが、メンタル弱者が中小企業で生き抜くコツだ。
