年齢を重ねるごとに色んな過去も自分の人生に重なってくる。



仕事にしても遊びにしても恋愛にしても。






アラサーという年齢層が大人なのか子供なのかは自分が感じるのと人が感じるのとは違うのだろうが、

私はまだまだ子供なんじゃないかと思っている。










それでもそんな自称子供な私もそれなりに恋愛を経験して来た。



色んな男にトキメいて、好きになって、身体も重ねて。



男を見る目も変わって来た。











先日、とある飲みの場にて。


見るからにイケメン!!という同世代の男と出会った。





背も高いし仕事もしてる、結婚してないし彼女もいない。





ものすごい好条件。







そんな男を私は


「カッコイイなぁ」


と客観視してるだけで、その人が欲しいとはならなかった。






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数年前ならたぶんガツガツしてたと思う。



貪欲に彼を欲しいと思い、隣に座るなりその気になり、

自分をフルに売り込み彼に媚びて好かれるように振る舞っただろう。







それを今の私はしたいとは思えなかった。












男の好みが変わったわけではない。




カッコイイと思うし、話した感じも好意が持てる。


むしろ欠点を付けるところが見当たらない程だ。









なのに欲しいとはならず客観的に「カッコイイ人だな」と思うだけ。



トキメいたりもなく。



なんだか変な感じだ。












私はなぜこんな好条件のイケメンを欲しがらなくなったのだろう。



これが大人になるということなのだろうか。






こちらを向き目を細めながら笑う彼もまたそんな私は眼中にもないかのようにその場の雰囲気を楽しもうと冗談を言った。



ただその場にいる初対面の相手、という遠い距離感で。











たぶん彼は女の扱いが上手い男だ。



私だけでなく周りの女達にも同じトーンで彼は笑った。





どの女にも魅力がないとかではなく、その場の雰囲気だけを楽しもうとしている感じ。



今のこの楽しい空気を壊さないように守ってるかのような。












「大丈夫?」



何気無く聞いたその言葉に彼は


「大丈夫!楽しいよ♪」


とまた目を細めて笑った。










イケメンで背も高くて仕事もしてて彼女もいなくて、周りの空気も読める。




そんな彼に私はただただ凄いなぁと感心し、彼に合わせるように目を細めて私も笑った。