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『会社は頭から腐る』

会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」/冨山 和彦

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評価:★★★★★

「大組織、一流企業の失敗とは、所詮、「その程度」のものなのだ。上司に怒られ、左遷されるだけですむなら、中小企業の経営者からすれば、鼻で笑ってしまう程度のものであろう。そんなことは社会全体で見れば、どうでもいいような誤差の範囲の話だ。世の中にどれくらいのインパクトをつくれたか、これこそが真の社会のリーダーには問われるのだ。
本人たちは真剣に一生懸命頑張って、努力をし、競争をしているつもりかもしれない。しかし、大局的に見れば、ある種、バーチャルな世界で戦っているように見える。リアルな戦いはやっていない。所詮、社内の戦いなど、本当の殺し合いではないからだ。申し上げておきたいのだが、私は、今どきの大組織にいる人たちを非難したいのではない。その「甘さ」をしっかり指摘しておきたいのだ。自分たちが経験しているガチンコは、まだまだ甘い世界のガチンコだということを、理解し、認識しておいてほしいと思う」本文中より。


以前にも『指一本の執念が勝負を決める』でレビューを書いた冨山氏の著作。
元産業再生機構のCOO(最高執行責任者)だった冨山氏が、彼の20年にも及ぶコンサルタントとして、そして産業再生機構での修羅場とも言える経験を振り返って書いた、「現場」から日本経済への提言と言える。
彼の考えはものすごくボクの嗜好に合っているため、非常に面白く一気に読み切った。

次世代のリーダーに向けた強いメッセージを送っている一方で、全体を通して語られる、「インセンティブと性格」についてのテーマはボクも一度考えたことがあり、非常に興味深かった。
ボクの大好きなコンサルタントの方が「インセンティブからの独立」を大きなテーマに掲げておりそういったお話をお聞きしたことがある。
人間は何事もどのような形であれ、インセンティブの下に活動をしており、縛られる。そしてそのうちインセンティブという変動しうるものが絶対であるかのように見間違えるのだ。
インセンティブの下活動すること自体を悪というわけではないが、インセンティブは他人からも与えられ得るものだ。要するに恣意的になり得るものなのである。
「性善説でもない、性悪説でもなく、性弱説である」という彼の言葉が非常に心に残った。
こういったインセンティブを盲目的に追いかけること、こういったことの危なさを以前感じたのだが、冨山氏もインセンティブの問題を非常にデリケートに扱っていた。特に産業再生機構の組織作りでは、間違ったインセンティブへの方向付けがなされないように組織の全員のことを考えている。やはり彼は経営者としても優れていると思った。

「会社は人」と言う冨山氏。
会社はもともと人間を幸せにするための手段であったにも関わらず、それがいつからか人間が会社の奴隷になってしまった。
彼の危惧、そして未来への希望についても、ここに集約されると思うが、企業と言うシステムと私たちの関係性も、インセンティブと共にこんがらがっている。
彼の「現場」からの提言はそのねじれた関係に気づかせてくれる生の声だ。
不確実なヒトが介在する不確実な企業というものの捉え方を深く考えさせられる一冊。

『会社の値段』

会社の値段 (ちくま新書)/森生 明

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評価:★★★☆☆

「「実際には株主が目の前の金儲けに目がくらんで正しい判断ができないから困っているのだ」と企業防衛論者は言うでしょうが、そこに問題の本質があります。こういう人たち(主に経営者自身ですが)は株主投資家の判断力を信用していない、自分たちの判断が株主投資家の判断より優れている、と理由も示さず断じています。経営者の本音が、「株主には正しく会社の値段を判断できない」にあり、「そういう株主にいちいち説明、説得するのには手間がかかるから即効性のある撃退策が欲しい」と言っているとしたら、この経営者の傲慢さは保護されるべきなのでしょうか?こう問いを変えてみれば答えもずいぶん違ってくると思います」本文中より。

簡単な数式なども織り交ぜながら、企業の値段(株主価値)を算定する方法を紹介し、また、国内外の企業買収を比較して、日本的なM&A、そして日本らしい企業価値の評価とは何かを解いていく本書。非常に単純明快で、こういった財務の知識がない方でも面白く読むことができるのではないだろうか。

買収者の「自分が経営すればもっと価値をあげられる」という主観を具体的に数字に反映することができる点がDCF方式の本領発揮の場
企業の値段を算定するとして、その企業が将来稼ぎ出すキャッシュ・フローを現在価値に割り戻してそこにふりかけをまぶしたようなものが基本的には企業の値段になる。このはじき出し方であるということは、自明的に将来の価値を担保に取るということであり、近似できるとしても精密に計算した値が必ずそうなるとは限らない。企業価値を算定する数式などはあるが、それらが存在しているのは、算出方法が複雑精緻で客観的合理性があるからではなく、むしろ逆だと著者は述べる。著者は外資系投資銀行に勤務する中で、すぐれた経営者が買収対象の企業を見て直感的に買収価格を算定するのを多く目にしてきたと言う。この直感を検証し、社内のメンバーや株主を説得し、相手との交渉の材料に使えるものにするところがDCF方式の役どころだという。

引用に用いたように、頭ごなしに買収などに対し敵意を見せるのは、より良い企業経営に対して消極的な姿勢だと見られてもしかたがない。
買収の話があるにせよないにせよきちんとしたIRを行い、本業の経営で株主をなおざりにしない経営者像というのは今の日本の企業からは少し遠いような気がした。

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