住みたい街ランキング1位の吉祥寺に誕生した新名所「キラリナ京王吉祥寺」の歩き方

@DIME5月10日(土)12時28分

大きな商店街があり、感度の高いショップも多く点在し、井の頭公園が近いため自然も豊かという環境から、住みたい街ランキングでは毎年不動の1位を獲得している吉祥寺。幅広い年齢層から人気のある街・井の頭線吉祥寺駅に新たな商業施設「キラリナ京王吉祥寺」がオープンした。

 吉祥寺を歩いた経験のある方はおわかりだろうが、以前の吉祥寺駅周辺は、北口のJR側と公園口の井の頭線をつなぐ通路があったものの、狭くてクランク状になっており見通しが悪く、南北の行き来が不便だった。南側の井の頭公園と北側の商業施設が分断されている状況を受け、駅では通路の改修工事を行い、4月13日に「南北自由通路」が完成した。直線で結ばれ道幅は16mと倍増して、南北の行き来が格段に早く便利になった。

 「キラリナ京王吉祥寺」は地下2階、地上9階の商業施設で、井の頭線吉祥寺駅と直結している。オープンに先駆け内覧会が行われたが、吉祥寺という土地柄、若い女性だけではなく、ファミリー層を意識した店内構成という印象を受けた。

「京王グループとしても重点を置いている施設であり、拠点の開発という意味では、住みたい街ナンバー1と言われる首都圏でも有数の街にオープンできたのは喜ばしいこと。テナントに関しても“吉祥寺にありそうでなかったもの”をベースに考えて、全98店舗中、70店が初出店になり、吉祥寺にこういう店があったらいいのに、という店舗を集めた。南北自由通路も完成して、南の井の頭公園と、北の商店街の南北の回遊性が高まり、キラリナもこの回遊性の手助けになれたらいいと思っている」(キラリナ吉祥寺支配人・近藤洋之さん)

 キラリナ館内は吉祥寺らしさを演出したり、ゆっくりと買い物を楽しめるような独自の施設が多いのも特徴だ。

◆4階「キラリナ広場」
4階部分にある吹き抜けの休憩室。開放的なスペースにイスが配置され、壁には井の頭公園をイメージした緑をモチーフや、各エレベーターホールで展開しているグラフィックの一部を切り取ったものが展示されている。窓側はJR吉祥寺駅に面しており、窓の外に電車の往来が見られるので、子どもや電車好きにも楽しめるスペースとなりそうだ。

◆9階「キラリナテラス」
最上階にある屋上テラス。ファミリーが多い街ということもあり、ベビーカーでも移動しやすいように通路も広くとってある。芝が敷かれているので子どもたちが走り回ることもできそうだ。北側には吉祥寺の街が望める眺望スペースがあるが、吉祥寺近辺は高層の建物がないため武蔵野の大地を一望できる。取材日はあいにくの雨だったが、天気のいい日にはぜひおすすめ。

◆2階「クイックドレッサー」、5階「プライベートドレッサー」 
2階と5階には女性専用トイレを設置。5階の「プライベートドレッサー」は、“だれでも女優”をイメージして作られたスペースで、ユニークな鳥かごスタイルのパウダールームは一人用とペア用があり、ペア用は友達どうしで購入したコスメなどを試したりできる。室内全体には、女性の肌色を美しく見せる美光色の照明を採用。BGMも館内放送とは独立した内容で流している。

JR駅改札口につながる2階の「クイックドレッサー」は、化粧直しだけで立ち寄る女性も多いことから、ゆったりとした5階とは違い個室の数も増やし、パウダーコーナーもスタンド型の大きめなスペースになっている。時間によっては並ぶこともあるため、デジタルサイネージやショーケースを設け、待ち時間も退屈しないように工夫されている。

◆9階「キッズ専用トイレ」「ベビー休憩室」
キッズ専用トイレは、屋上テラスで遊んでいる途中でもすぐに行けるように「キラリナテラス」と同じフロアの9階にある。6階にはベビー休憩室を設置。イクメンを支援するという観点から、入口を広く取ることで父親も抵抗なく入れるように設計した。スペース奥には個室があり、授乳は個室で、おむつ替えは広いスペースで、父親でもおむつ替えができるようになっている。

◆4~9階「エレベーターホールギャラリー」
キラリナのビル全体を“館”のように見立てて、「クローゼット」「コレクションルーム」「アトリエ」など、各フロアにテーマを持たせた内装が施されている。特に注目してもらいたいのが、4~9階の各階に西側と東側の2か所にあるエレベーターホールのイメージグラフィック。武蔵野エリアで活躍する若手アーティストたちがフロアのテーマに沿って描いている。

◆2階「コンコース」&3階「スターバックス コーヒー」
2階のコンコースは大地や木々をイメージしたアースカラーで構成されており、天井のパネルは時間や季節によって照明が変わる。そしてひそかな穴場としておすすめなのが、3階にある「スターバックス コーヒー」のコンコースを見渡せる座席だ。

3階西側の「スターバックス コーヒー」と東側の「ビームス」(※ビームス側からは入れないので注意)をつなぐ渡り廊下のようになっている一画があり、ここからは2階コンコースを一望できる。しかも窓の外はJR吉祥寺駅の線路で、目の前を電車が通過していく。コンコースにある壁面の格子模様は吉祥寺の街並みをイメージしたものだとか。一か所だけ斜めに線が引かれている場所があり、そこはキラリナと線路を空から見た形を模している。スタバの穴場席を確保できたら、ゆっくりとコーヒーを飲みつつチェックをしてみよう。

◆1階共用エリア
1階は路面形式の店舗で構成して、駅ビルに入らなくても飲食や持ち帰りのできる、立ち寄り需要を意識した軽飲食の店舗が並ぶ。以前は建物が道路の際まであったが、新ビルでは車道から約6mセットバックして約7mの通路を確保、通行の悪さを改善した。

■全98店舗のうち70店舗が吉祥寺初進出!

 全98店舗のうち70店が吉祥寺初出店という構成のキラリナ。中から注目のショップをピックアップしてみた。

◆6階「ここり」
京都たち吉が運営する和雑貨の店。生活雑貨やインテリアなど日本人の美意識をテーマにしたアイテムが揃う。こちらのショップで注目は、小川大介さんが手掛ける「プセット」のがま口財布。1925年製の足踏みミシンでひとつひとつ手仕事で丁寧に作り上げた良品だ。ネコのしっぽがゆらゆらと揺れる姿が癒される、クラフト作家・藤井啓太郎さんの時計も。受注生産なので納品までしばらくかかるが、こうしてみるとやはり可愛い!

◆6階「ナナズグリーンティー」
抹茶、緑茶を中心としたドリンクやデザートが充実した和テイストのカフェ。抹茶好きにはたまらないバリエーションの豊富さが魅力。雑穀どんぶりなどの軽食もある。個人的なイチオシは、抹茶ラテに抹茶アイスの“ダブル抹茶”に白玉がのせてある「抹茶白玉フロートラテ」(610円)、香ばしさと甘さが絶妙な「黒胡麻ソフトクリームラテ」(560円)。どんぶりものでは七代目「山利」のしらすをたっぷり使った「釜揚げしらすと明太子のどんぶり」(800円)。吉祥寺の街を見渡すロケーションもいい。

◆4階「ニールズヤード レメディーズ」
「アーバンリサーチ」や「ジャーナル スタンダード」など男女共用ブランドが入っている4階にある、英国発のオーガニックコスメのショップ。同社の象徴的な存在であるフランキンセンスのシリーズをはじめとして、@DIMEでも紹介したハンドクリームなど、フェイスケア、ボディケア、ヘアケアといった男性でも使えるユニセックスの製品を幅広くそろえている。実際に使用感を試すことができる洗面台スペースも設置。また店内では、キラリナ吉祥寺ショップだけのアロマのスペシャルレッスンも開催しているので、詳しくは店舗に問い合わせを。

◆3階「CA4LA(カシラ)」
井の頭線の改札からすぐに入れるエントランスがあり駅からの利便性が高いフロアが3階には、吉祥寺初出店の「ビームス」と、帽子専門店の「CA4LA(カシラ)」がある。内覧会では「CA4LA」の代表取締役社長の吉澤利男さんがユニークな帽子で登場。同店は店舗ごとに世界観を表現した内装で知られているが、「CA4LA キラリナ京王吉祥寺店」のテーマは“A Pub Like The Good Old Days”。古き良き時代のパブをイメージした内装は、ロンドンのパブのように活気にあふれた店になりたいという願いを込めているという。バーカウンター風のキャッシャーや、モザイクタイルなどにも注目だ。場所柄、30代以上の客層も多いためハット類を多めにセレクト。多様な文化と幅広い年齢層が集う吉祥寺を意識した品ぞろえになっている。

◆2階「ローラ アシュレイ ギフト&アクセサリーズ」
2階JR線改口階ということもあり、コスメや雑貨など小物類の店舗で、ちょっと立寄りすぐに買えるような店舗で構成。独特のプリントデザインとカラーコーディネートで知られる英国の「ローラ アシュレイ」が、インテリア雑貨やファッション小物で構成する「ギフト&アクセサリーズ店」として展開。キッチン、バス、ベッド回り、仕事やトラベル関連など日常の生活シーンで使うアイテムを多く取りそろえている。シーズンアイテムやギフトアイテムも充実しているので、立ち寄るたびに新しいものが見つかりそう。

◆2階「エッフェ オーガニック」
2013年にデビューしたコスメキッチン初のオリジナルブランド「エッフェ オーガニック」。代官山に続き2店舗目となるのがキラリナのショップだ。スキンケアをメインにヘアケア、ボディケアなどを取りそろえている。おすすめはヒアルロン酸の5倍以上も保湿力があるサクランを配合した「モイスチャーローション」(150ml税別3,800円、30ml税別800円)。しっとりと肌に浸透していくのか感じられ、精油ブレンドの香りも心地よい。吉祥寺店のオープン記念の限定品「バスミルクセット」(税別3,000円)は、スクワランをベースに、オーガニック米ぬか発酵エキス、ダイズ種子エキスなどを配合。4種類のアロマの香りもバスタイムをリラックスさせてくれる。店舗限定品なので早めにチェックを

◆地下1階「サクラ デリ」
スイーツやデリが並ぶ地下1階の食料品売場「フードパルク」。惣菜と弁当の専門店「サクラ デリ」は、野菜の惣菜と発芽玄米を中心としたヘルシーなテイクアウトのデリ。惣菜のおすすめは「和風 大根おろし 豆腐ハンバーグ」(税別380円)と、「ミルフィーユ風 キャベツハンバーグ」(税別480円)で、ボリュームたっぷりなのに両方ともカロリーは172kcal。弁当のおすすめは「タコライス」(税別840円・408kcal) と「アボカド野菜カレー」(税別680円・453kcal)。野菜がふんだんに使われていて、歯ごたえのある発芽玄米のごはんとぴったり。テイクアウトして井の頭公園でのランチにするといいかも。

◆地下1階「リュバン チーズワールド」
世田谷の駒沢公園にあるリュバンのシェフ・長谷川哲夫さんが手がけるチーズを使ったスイーツの専門店「リュバン チーズワールド」。ヨーロッパのチーズを中心に15種類以上の様々なチーズを使ったスイーツが並ぶ。

看板商品として注目されているフランス産チーズのコンテを焼き上げた「フレア」(12枚入り・税別1,500円、24枚入り・税別3,000円)はぜひ味わってほしい逸品。店舗限定品(5月6日まで)は、クリームチーズを使ったなめらかな「吉祥寺プリン」(税別280円)やパルメジャーノのうまみが凝縮したタルト「パルメジャーノ」(税別500円)。羊乳のロックフォールを使ったクリームとチョコレートを組み合わせた「ロックフォールショコラ」(税別480円)は男性にもおすすめ。

◆地下1階 神戸六甲山「颪(おろし)」
神戸・六甲山は全国でも有数のアカシアはちみつの産地。「颪」は阪神電鉄グループが六甲山敷地内で行っている養蜂事業「阪神電車 みつばちプロジェクト」で作られたはちみつを使ったソースを販売しており、都内では初出店となる。はちみつ、ドレッシング、ジャム、焼き肉のタレと数種類販売しているが、おすすめは「六甲山の魔法のドレッシング」(税別100ml・500円、200ml・780円)。ニンジン、トマト、ブロッコリー、ブルーベリーの4種類で、ドレッシングというより用途の広さから万能ソースといっていいほど。たとえば、ブロッコリーは白身魚や鶏肉料理のソースや、冷奴にかけてもおいしい。酸味のあるトマトはハンバーグにかけると彩りもよく味に幅が出る。パスタソースや焼き肉のタレとして使う人も多いとか。

◆地下1階「PBees(ピービーズ)」
ニュージーランド産生はちみつ専門店。同じはちみつなのに種類によってこんなに味や風味が違うのかと驚き。試食もできるのでぜひ味の違いを確かめてみてほしい。中でもおすすめなのは、いまやニュージーランドを代表する人気のはちみつ「マヌカ」(税込110g・972円、220g・1944円)。スパイシーで濃厚な味わいで、しいて言えば黒蜜に近いような味がする。「コムハニー」(税込100g・1512円、340g・2700円)は写真で見ればわかるように、はちの巣をそのまま木枠からカットして容器に入れた“巣はちみつ”。初めて味わう食感で、文字通りとろーりととろけるような甘さがたまらない。ぜひ試してほしい一品だ。

◆地下2階「船橋屋」
江東区の亀戸天神そばにある1805年創業の老舗、くず餠の「船橋屋」がキラリナに出店。船橋屋のくず餠といえば、独特の歯ごたえとしなやかさが特長だが、吉祥寺店にも本店工場から、毎日蒸したてが出荷されており、西東京地区でも船橋屋のくず餠が買えるようになったのはうれしい限り。くず餠入りの特製あんみつやみつ豆もあり、さっぱり味でおすすめ。

(文/阿部 純子)