写真は「西堀通り」にて。先般、遊廓赤線研究をライフワークとする同好の士に因り、堂々たる復刻が遂げられた昭和三十年代の奇書「全国女性街ガイド」※完全版「全国女性街ガイド」復刻のお知らせ。其の松本の頁には「土井尻に集娼がある」と記されております。少々調べてみると「土井尻」は旧町名であり、現在の「西堀」、即ち「大手二丁目」付近。
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大手二丁目にて。珍しい意匠を施した店舗。料理屋でしょうか?
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「現代」と言うユニークな屋号の旅館。
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この辺りが「土井尻赤線街」の残滓とみて間違いないでしょう。年輪を重ね只ならぬ雰囲気を充満させた妓楼風の建物。
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上記と同一物件を別位置から撮影。心なしか微かに妖艶な空気を感じます。
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スナック街として現在も機能している様子です。時は黄昏の刻、開店準備に勤しむ女性の姿。海の彼方から渡って来た異国の女性が目立ちます。
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妓楼風の建物背後にもスナックが密集。赤いソファーには地元のおっちゃんが座り焼酎を呷っておりました。
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信州名物たる「カフエー」の鑑札を掲げる店舗。
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先の妓楼風建物内部。無論、共用便所が設えておりました。
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再び外へ出て小路を進む。この辺りで数匹の可愛らしい子猫と遭遇。暫し子猫たちと戯れる。子猫たちとの遊戯に夢中になっていると、コケティッシュな香りと香辛料の香りをミックスさせた異国の女性が横に立っております。彼女は子猫と戯れる私をずっと見ていたのであります。
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「オニイサン タクサンネコスキネ コッチクル モットカワイイコネコイルヨ」
彼女は片言の日本語で私にこう言います。下手糞なウィンクを投げかけ乍。
若しや「子猫=小姐(シャオチエ)」と彼女は洒落込んでいるのか。この界隈に漂う淫靡な香りを思えば、各地の繁華街で見掛けるオリエンタルなパンマ嬢に遭遇しても全くおかしくはない。
彼女に付いて行くと小姐(シャオチエ)では無く本当の子猫が。異国の女性たちに大事に育てられている子猫さん。「オニイサン コネコモラウ カワイイヨ イエデソダテル」・・・・・・異国の女性は私に子猫をプレゼントしたい様子。愛くるしい子猫に後ろ髪を引かれながらも、彼女たちのプレゼントを断り松本駅へ戻ります。
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・・・・・・・・・松本駅へ戻る途上、異国の女性たちから「オニイサン マッサージ イカガデスカ チョウキモチイイヨ」と声をかけられること数知れず。香辛料香る異国情緒と北アルプスの秋風背に受ける城下町松本、ビールと駅弁を買い込み松本を後にする。