いさきダイアル

いさきダイアル

気が向いた時に言葉吐きます!(笑)
よろしくお願いします。

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‪溢れ出る黒いもの。

それはどんどん溢れ、わたしを囲む漆黒の何かになる。

周りには、それ以外何もない。

どんどん溢れる。
わたしを覆い尽くす。


それは早かったかもしれない。
ゆっくりだったかもしれない。

何分、何時間経ったかわからない。

わたしはその黒いものたちに囲われて、
ただただ1人、
泣いている。

方角も、光も、音も、何もない暗闇で。
ただただ1人、泣いている。
ずーっと、ずーっと。

すると、何もなかった場所に、

突然勢いよく風が吹いた。

その風は、わたしを覆い尽くすこの黒い何かを、

それは、
床の板が一枚一枚剥がれていくみたいに。

それは、
沸騰したお湯の気泡が、浮き上がって空へどんどん飛んでいくみたいに。

それは、
巨大な魚のウロコが、次々と剥がれて、
まるで自分が、人魚にでもなったのかと錯覚するみたいに。

目を丸くしているわたしの横を、周りを、
1つ残らず、舞い上がらせた。

決してわたしには必要ないものだと、
どこかの遠い国から伝えに来てくれた魔法使いの、桜の精のように。

本当に勢いよく。

空へ。

高い高い空へ。

舞い上がらせた。

それは本当に、真っ黒い色をしていたのに、
キラキラしていた。

わたしの周りは、目の前は、
こんなにも。こんなにも。





そこに現れたのは、

真っ白い、

どこに何を置いても良いような、

どんな色を塗っても良いような、

どこへ行っても良いような、

何を作っても良いような、



ただただ白い、景色だった。


そこからわたしは一歩

足を進めた、