「好き」という気持ちは私を私じゃない生きものに変える。
「好き」さえあれば、150%の力で頑張れる無敵ゴリラになれるし、「好き」だからこそ死にたくなるくらいにメンヘラ女子に変身する。
ハイになって、バッドになって、本当に麻薬みたいな「好き」にいつも振り回されてばっか。連絡が来たら羽が生えるほど嬉しいのに、そこからまた連絡が途絶えたら地獄に落ちる。そんなジェットコースターのような情緒が辛くて仕方ない。
テストは楽だ。勉強したら良い点数取れるから。
仕事だって楽だ。真面目に向き合えば評価されるから。
でも恋愛は違う、どんなに勉強しても、真面目に向き合っても全然上手く行く気がしない。
私を変えなきゃいけないの?私が変わらなきゃいけないの?
どれだけ我慢しなきゃいけないの?どれだけ耐えなきゃいけないの?
自分という軸をグラグラに揺さぶられて苦しい。苦しい、苦しい。
恋愛は苦しい。
だから私は、「諦めること」を覚えた。
それはこの苦しい恋愛から、少しでも自分の心を守るために。
「この返信には連絡は返ってこないし、良い返事なんてこない」
「この人がいなくても私は何も変わらない、明日もまた同じ日常を繰り返すだけ」
「頑張るのは私がこの人を本当に心の底から嫌いになるまで」
「私はすぐ嫌いになれる、この人からすぐ離れられる」
「何が起きても私は大丈夫、何も変わらない、何も」
心に呪文を唱える。ネガティブな形をした、頑張るための魔法の呪文。
期待したらその分心が疲れるから。
最初から期待しなければ最低限のエネルギーでじわじわと続けていけるから。
時間が経てば何か変わるかもしれないから。
この呪文を唱えてじっと食虫植物みたいにその時が来るのを待っているんだ。
期待なんてしない、どうせあなたは私のことを好きじゃないんでしょう。
じゃあ、あなたの前で私はとことん良い人を演じて、栄養を与え続けて、頭の先までどっぷりと愛情のヤク漬けにしてあげよう。
私があなたを嫌いになるまで我慢して、この愛情をあなたにあげよう。
我慢して我慢して嫌いになったら、私からあなたの元を去ってあげよう。
その時どんな顔をするかな、その時どんな気持ちになるかな。
そう考えて、私は「諦めながら恋をする」。
そして何か変わるタイミングまでじっと大人しく、あなたが落ちてくるのを待っている。