ひとくちに介護っていうけど、単に病人やけが人の世話だけにはとどまらない。
自分の生活ももちろんあるし、要介護認定受けていて、全介助が必要な患者には、素人は車椅子に乗せたり、ベッドに移したりはできない。
口がきけない患者は、気をつけて面会を頻繁にしていないと、汚れた服のまま、何日も着せられてることもあり。
顔もきたないまま。
家族がタオルで拭いてやり、クリームでも塗るとかしないと、介護施設は、淡々と事務的に仕事をこなすだけ。
そこに情を入れてしまうと、仕事が終わらなくなるから仕方ない。
私の場合はまず訪れたのが、脳内出血で倒れた母のこと。
倒れて救急車で運ばれて、救急措置を受け、ICには私が付き添いました。
10日以上、意識がなかったけど、奇跡的に意識が戻り。
でも、脳のかなりの機能は失われ、失語、左半身マヒは今も同じです。
介護の本当の大変さを知ったのは、家族の思いがバラバラだということでした。
母が倒れて一年後、父は独断で母を自宅に連れて帰るため、外出許可を取りましたが、この日が気温の低い雨の日で。
私は母の状態を考えて反対しましたが、父にはそれが意地悪としかとれなかったようです。
私が施設に行かなかったら、父は母をベストのまま外に連れ出すところでした。
厚手のジャンパーに、ひざかけを用意したのは私。
自宅も寒く、弟のお嫁さんがエアコンを入れて待っていてくれたけど、エアコンの効き目は悪く、母が風邪をひかないように、母に毛布をくるませました。
自宅に久々に帰宅した母は、涙ぐみながら感慨深げでしたが、寒さ対策には気を使いました。
そのあと、父と口オたのが、山口県に住む母の高校時代の親友たちの面会希望。
母が倒れた直後からそういう申し出はあったのですが、何度も電話でやりとりして、やっとあちらの二人の親友さんの都合が合い、やっと母の見舞いにはるばる山口県から来ることになってから、父が猛反対。
父としては、おむつを当てた母をみせたくなかったのでしょう。
でも、親友さんたちも自分の足が動けるうちにと強い願望。
父の猛反対を押し切り、強行にお見舞いを受け入れたのが、父のいっそうの怒りを買ってしまい。
遠く離れた横浜の妹にもさんざん私の悪口を言ってたようです。
介護は現場にいる者は、恨みも買い、バトルもあり、それでも必死でやっているのですが、どこも同じように、何もタッチしていない、単なるお見舞い程度の親族は辛らつな言葉を投げかけてきます。
私も疲れから横浜の妹には介護に関しては第三者発言をしてしまいました。
これが妹の怒りを爆発させたようです。
もともと、激昂するタイプの子だったので。
以来、私の味方は一切しません。
母の洗濯ものを持ち帰れば、親離れできてない食べこぼすお母さんを見るのが嫌で食事介助してるんでしょと言われる始末。
かといって、何もしなければ、しないで文句言いそう田川和弘なんですが。
去年から父は入退院を繰り返し、弟の介護は実子の務めとの考えで、私は父の入院先に出向き、体調を確かめ、洗濯ものを持って帰り、その足で母の施設にも行くというハードな毎日を送りましたが、昨日、また父が入院しました。
これは、自分の経験談ではありますが、弟も妹も心底、私に課せられてる重労働を理解していません。
私は婚家にお姑さんもいるのですが、義姉は県外なので、介護は実子の務めなんて言ってられません、これまでに在宅でお世話もしたし、しもの世話もしたし。
お姑さんは現在もご存命なので、私には3人が肩にのっかっています。
介護は実子というのもわかるのですが、男性は仕事がありますよね。
私はたまたま専業主婦なので、弟も幸いといった感じで介護そのものは私という存在に、甘えられるという意識があるようで。
もちろん、弟も何もやってないわけではありません、金銭管理、施設への支払い、確定申告といった事務的な仕事です。
人間の感情のからんだ問題に苦労したことがないから、本当の意味での介護はわかってないように思うんです。
お見舞いに来ていただくご近所さんへのお礼、配慮等はオトコである弟には気配りできることではないです。
妹は2日に一回の父への電話を無償の愛だと言いました。
電話することで、充分自分は役目を果たしていると思っているようです。
母が倒れてからは、子供も連れてこなくなり、自分一人で来ますがそれも長くて3日ほど。
優しくして帰ったらいいだけなので、父にとっては、口うるさい私に比べ、心優しい末娘なのかも。
現実、近くにいる者はバトルがあって当たり前なんですが。
そして、悪者扱いされるんですから、辛いところですね。
介護は、綺麗事だけで済むような簡単な問題ではないので、介護に携わるもっとも身近な人間の苦労を、考えてみるだけのことは、これからの高齢化社会には必要なことなのではないかと。
労うことそれだけで介護に携わる者は救われるんで。
高齢者のわがまま、悪口をそのまま鵜呑みにしないでほしい、へこたれながらも頑張っているんです。
