むかしむかしのお話し。
高校3年の初夏、通学列車の中で、
一人の女の子との出会いがありました。
毎朝、同じ時間の列車で、同じ車両で、
いつも席は割と近かったから、
見た事も無い、全然知らない女の子ではなかったけれど、
他校(女子高)の女の子で、話しをした事は当然無かった。
お互いの名前さえ知らない、そんな関係。
ある日の夜、突然、その彼女から電話が。
『私の事、わかる?』
『分かるよ、なんとなく声で・・・。
えっ、でもどうして電話番号なんて分かったの?』
『〇〇君から教えてもらった・・・。』
どれくらいの時間、話しをしていただろうか。
次の日から毎日のように、
通学列車内で、短い時間だけれど、
彼女に声を掛けるようになりました。
夏休みには、彼女の家に遊びに行ったり、
秋には彼女の高校の学園祭にも行って、
彼女が学園祭を途中で抜け出して駅で落ちあい、
隣町のお祭りに繰り出したり、
放課後は時間を合わせて一緒に列車に乗り、
途中下車して街でデートをしたり、
サッカーをしていたIZAOを応援する為に、
試合会場にも足を運んでくれました。
夏が終わり、秋も深まっていったとある日に、
彼女から手紙をもらいました。
『家に帰ってから読んで・・・。』
その手紙には、
IZAOとこうして一緒にいながらも、
昨年、修学旅行で知り合った、
長崎に住んでいる人の事が忘れられないと書いてありました。
その人は自分(彼女)の事を彼女と思っていると。
夜だったけど、躊躇せずにすぐに彼女へ電話をしました。
彼女の本意を聞き出そうとか、
責めるつもりで電話をした訳ではなくて。
本当の事を教えてくれた彼女の事がとても愛おしくて。
きっと今、電話をしてあげないといけないと、
勝手な思い込みもありました。
正直、この恋は叶わぬ恋だと感じましたが、
でも、叶わぬ恋でもいいから、そばに居たいと思いました。
『美香子(彼女の名前)がIZAOと一緒に居たいと思っている間は、
IZAOは美香子の傍にいるから。』
そんな想いを伝えたとたん、電話の向こうでは彼女の泣く声が。
流れた涙の意味を聞く事は勿論しませんでした。
きっと今は、お互いに辛い想いをしているけれど、
それでも、傍に居たいと思わせる理由は唯一つ。
『ふたりよりもいいものは、もうみつけられない』
当時流行っていた安全地帯が大好きな女の子でした。
二人でよく聴いていたっけ。
両手を伸ばせば、届いたかもしれない恋。
今、貴女は、何処で、誰といるだろうか・・・。
30年以上も前の、切なくも素敵な思い出です。
高校3年の初夏、通学列車の中で、
一人の女の子との出会いがありました。
毎朝、同じ時間の列車で、同じ車両で、
いつも席は割と近かったから、
見た事も無い、全然知らない女の子ではなかったけれど、
他校(女子高)の女の子で、話しをした事は当然無かった。
お互いの名前さえ知らない、そんな関係。
ある日の夜、突然、その彼女から電話が。
『私の事、わかる?』
『分かるよ、なんとなく声で・・・。
えっ、でもどうして電話番号なんて分かったの?』
『〇〇君から教えてもらった・・・。』
どれくらいの時間、話しをしていただろうか。
次の日から毎日のように、
通学列車内で、短い時間だけれど、
彼女に声を掛けるようになりました。
夏休みには、彼女の家に遊びに行ったり、
秋には彼女の高校の学園祭にも行って、
彼女が学園祭を途中で抜け出して駅で落ちあい、
隣町のお祭りに繰り出したり、
放課後は時間を合わせて一緒に列車に乗り、
途中下車して街でデートをしたり、
サッカーをしていたIZAOを応援する為に、
試合会場にも足を運んでくれました。
夏が終わり、秋も深まっていったとある日に、
彼女から手紙をもらいました。
『家に帰ってから読んで・・・。』
その手紙には、
IZAOとこうして一緒にいながらも、
昨年、修学旅行で知り合った、
長崎に住んでいる人の事が忘れられないと書いてありました。
その人は自分(彼女)の事を彼女と思っていると。
夜だったけど、躊躇せずにすぐに彼女へ電話をしました。
彼女の本意を聞き出そうとか、
責めるつもりで電話をした訳ではなくて。
本当の事を教えてくれた彼女の事がとても愛おしくて。
きっと今、電話をしてあげないといけないと、
勝手な思い込みもありました。
正直、この恋は叶わぬ恋だと感じましたが、
でも、叶わぬ恋でもいいから、そばに居たいと思いました。
『美香子(彼女の名前)がIZAOと一緒に居たいと思っている間は、
IZAOは美香子の傍にいるから。』
そんな想いを伝えたとたん、電話の向こうでは彼女の泣く声が。
流れた涙の意味を聞く事は勿論しませんでした。
きっと今は、お互いに辛い想いをしているけれど、
それでも、傍に居たいと思わせる理由は唯一つ。
『ふたりよりもいいものは、もうみつけられない』
当時流行っていた安全地帯が大好きな女の子でした。
二人でよく聴いていたっけ。
両手を伸ばせば、届いたかもしれない恋。
今、貴女は、何処で、誰といるだろうか・・・。
30年以上も前の、切なくも素敵な思い出です。