不遇な扱いの彼
え~、見えるでしょうか?
彼がいるのが見えるでしょうか?
タンクの後ろと、さらにトイレットペーパーの後ろに隠れてひっそりとしている彼が見えるでしょうか?
拡大してみる。
多少文章が隠れているけど、多分こんな感じだ。
「お願い
このトイレには炎感知機を設置しています。
(ライター・マッチ)等はご使用のないようお願いいたします。」
なんだかすっぽりと隙間にはまっていたので、持ち上げることもしなかったため正確にはなんて書いてあったかは不明だ。ともかく「火を使うな!」「禁煙だかんな!」ってことだけは十分通じる。
この不遇な扱いはなんだろう。
貼り紙はその文章を読ませてこそ、その存在意義が確立されるというものなのに、この追いやりぶりと来たら、1UPキノコ並の隠れ具合。もしくはちょっぴりドジな忍者。下忍だな。
幽霊部員ならぬ幽霊貼り紙。「あれ?いたの?」ぐらいの扱いだ。
これで誰かが知らずにタバコを吸ったとしても、貼り紙が見にくい箇所に貼られているんだからその人を責められたもんじゃない。悪徳サラ金業者の借用書の如く「後で困ることになるかんね」的なことのみが非常に細かく書かれていたのと同じじゃないか。
もうちょっと壁の高い位置に貼られていたものがズリ落ちたのか、はたまた別の壁にあったものが落ちていて誰かが適当に「ここ挿さるんちゃう?」と挿しておいたのか不明だが、これではこの子が生きてく希望を見出せない。
きっと次々と、タバコを吸おうとポケットに入れた手を止めてみたかったことだろう。
「炎感知機さんの出番は一生ないですよ!」と言いたかったことだろう。
なのにこの不遇。
ましてやトイレットペーパーの裏。
さてそんなトイレットペーパーだけど・・・。
同じ個室内、トイレットペーパーが備え付けられている箇所がちょっとした台になっている。このときは芯なんか置かれてるけど、誰かにとってはお気に入りのセカンドバックを置くにはちょうどいい大きさ。受験勉強には狭すぎるな。ダイコン切ったりするのは可能っぽい。
そして何か貼り紙が貼られているのはお分かりであろうか?
これまた拡大します。
はい、トイレットペーパーのコマーシャル。
というのもここはとあるスーパーのトイレ。ここのオリジナルブランドのトイレットペーパーの宣伝が貼られていたのだ。一度実際に使って頂いてから、後押しのコマーシャル。店内で同じものを(未使用)をお求めになれるというわけだ。
やるな、試食と一緒じゃないか。
さて、取り上げるほどのものでもないけど一応なんて書かれているかをここに(企業名、商品名は伏せます)。
「このトイレットロールは
●●開発商品「●●トイレットロール」でございます。
「●●トイレットロール」は、お客様のご協力により店頭回収した牛乳パックを使用しております。
●●全店では、牛乳パックが一年間およそ600トン回収され、これは立木約12,000本分に相当します。
●●トイレットロールシングル 130m×6ロール 448円 税込
どうぞご利用下さいませ。 」
苦労して打つほどのものでもないけど、トイレットペーパーの宣伝と企業アピールされたのだけは分かる。トイレで何しとんじゃ。
普段普通に生活していると分からないけど、糞をすれば森が減ってるわけなのね。リサイクルは褒めるけども、個室に籠もっていただけでは知りえなかったはずの世界をわざわざ広げてくれて、本当にありがた迷惑。
使ったトイレットペーパーをその後「いかが?」というのはなかなか見かけないな。商魂ここにあり。
そしてその商品のトイレットペーパーに隠れたままの本家の貼り紙。
そりゃ貼り紙より商品アピールの方が大事ですよね、はい。
いいんですよ、別に。
いいんですよ・・・・・。
一度炎感知機が反応して警報でも鳴れば、誰もが君の存在を思い出してくれるよ。
都内、とある商業施設にて
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