副鼻腔炎|アステラス製薬|なるほど病気ガイド - Astellas より
副鼻腔炎は、副鼻腔に細菌やウイルスが感染することなどによって炎症が起こり、
鼻づまりや鼻水、頭痛、歯の痛みなど、さまざまな症状が起こる病気です。
副鼻腔炎を放置することは、中耳炎などの他の病気を引き起こすことにもつながりますので、
気になる症状があるときは、まずは早めに病院・診療所を受診しましょう。
1.どんな病気?
鼻のまわりの骨にある「副鼻腔」という空洞部分に炎症が起こり、鼻づまりや鼻水など、
さまざまな症状が出る病気です。
↓ 副鼻腔炎とは? | ↓ 副鼻腔炎の種類
∎ 副鼻腔炎とは?
副鼻腔炎とは、
副鼻腔の粘膜に細菌やウイルスが感染することなどによって炎症が起こり、
鼻づまりや鼻水、咳、頭痛など、さまざまな症状が現れる病気です。
1960年代までは非常に多くみられる病気でしたが、
生活環境や食環境、医療環境の変化により、
1970年代以降、患者さんの数はかなり少なくなりました。
しかし、いまだによくみられる病気であることに変わりはありません。
∎ 副鼻腔炎の種類
急性副鼻腔炎
細菌やウイルス感染などによって副鼻腔に起こる急性の炎症で、通常は1~2週間で治ります。
頭痛や顔面痛などの急性炎症症状が起こります。
慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎が長引いたり、繰り返したりすることによって3ヵ月以上症状が続いているもので、
「蓄膿症」とも呼ばれます。
炎症が長引くと、副鼻腔の分泌液の量が増えたり、その粘度が高くなったりして、
さらに慢性副鼻腔炎の状態を悪くすることにつながります。
引き起こされる症状は鼻づまりや鼻水、頭痛などさまざまです。
2.なぜ起こる?
ウイルスや細菌が鼻やのどに感染して起こります。その他にもアレルギーや遺伝も関係しています。
↓ 副鼻腔とは? | ↓ 副鼻腔炎の原因
副鼻腔とは?
鼻の穴の中のことを「鼻腔」といいますが、この鼻腔のまわりには、
骨で囲まれた空洞部分が左右それぞれ4個ずつ、合計8個あり、鼻腔とつながっています。
この空洞部分が「副鼻腔」です。
4つの副鼻腔は、
(1)目と目の間にある「篩骨洞(しこつどう)」、
(2)その奥にある「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」、
(3)目の下にある「上顎洞(じょうがくどう)」、
(4)鼻の上の額にある「前頭洞(ぜんとうどう)」です。

副鼻腔は、
強い力が顔面にかかった時に衝撃を和らげたり、声をきれいに響かせたりするといわれますが、
その役割ははっきりとは分かっていません。
鼻腔や副鼻腔の中は、粘膜で覆われており、
粘膜の表面には「線毛」と呼ばれる細い毛が生えています。
線毛は、外から入ってきたホコリや細菌、ウイルスなどの異物を粘液と一緒に
副鼻腔の外へ送り出す働きを持っています。
副鼻腔炎の原因
急性副鼻腔炎の多くは、風邪などで、ウイルスや細菌が鼻腔に感染して炎症を起こし、
それが副鼻腔にまで及ぶことなどで起こります。
炎症のために副鼻腔と鼻腔がつながっている部分が腫れ、
副鼻腔内の分泌物や膿などがうまく外に出せなくなって炎症が長引いたり、
さらに風邪を繰り返し、細菌感染が繰り返されることによって、
症状が3ヵ月以上続くと慢性副鼻腔炎と診断されます。
鼻の炎症だけでなく、咽頭炎や扁桃炎などののどの炎症、真菌(しんきん)(=かび)、虫歯なども
副鼻腔炎の原因となることがあります。
また、細菌感染のないアレルギー性鼻炎や気管支喘息、アスピリン喘息などの
アレルギーによって起こる病気が原因となることもあります。
両親が副鼻腔炎の場合は、子供も副鼻腔炎になることが多いという研究結果もあり、
遺伝的な原因もあると考えられています。
3.検査・症状の意味
副鼻腔炎では、鼻づまり、鼻水、頭痛、嗅覚障害など さまざまな症状が起こります。
↓ 副鼻腔とは? | ↓ 副鼻腔炎の原因
検査
∎鼻鏡検査・内視鏡検査
鼻鏡や内視鏡などの道具を使って、粘膜の腫れの程度、鼻水の量や性状、鼻ポリープの有無などを
調べることがあります。
∎レントゲン検査
レントゲン検査によって、炎症が起きている場所や範囲、程度などをみることができます。
さらに詳しい情報を得るために、他の画像検査(CT検査やMRI検査)を行うこともあります。
∎細菌検査
原因となっている菌の種類を調べる検査です。
鼻の穴の中から上顎洞(じょうがくどう)に針を刺して分泌物を取り出したり、
鼻の穴の中やのどの奥の分泌物を細長い綿棒や吸引装置を使って取り出して、
その中に含まれる細菌を調べます。
赤ちゃんや小さな子供の場合は、保護者が椅子に腰かけて、
膝の上に子供を座らせて細菌検査を行うこともできます。
4.なぜ治療が必要か
慢性副鼻腔炎の不快な症状や、その他の病気を防ぐためにも、
副鼻腔炎はしっかりと治すことが大切です。
急性副鼻腔炎の多くは、風邪などによって、鼻やのどに細菌やウイルスが感染して
引き起こされます。
風邪による熱やのどの痛み、倦怠感などがなくなると、
軽い鼻水などがあっても「これくらい大丈夫」と思いがちです。
しかし鼻水が長引く場合は、急性副鼻腔炎が起こっている可能性があり、
これをきちんと治療せずにいると慢性副鼻腔炎を引き起こすことになります。
慢性副鼻腔炎になると、頭重感や集中できないといった症状が起こり、
日常生活に大きな支障が出ることになります。
また、副鼻腔炎を放置することは、中耳炎などの他の病気を引き起こすことにもつながります。
鼻水や鼻づまりなどの症状が長引いている時は、そのままにせずにきちんと受診し、
完全に治るまでしっかりと治療を受けることが大切です。
5.他の病気との関係
副鼻腔炎を起こしやすい病気や、副鼻腔炎が原因となって起こる病気があります。
↓ 副鼻腔炎を起こしやすい病気 | ↓ 合併症
合併症
副鼻腔炎が原因となって、他の病気が起こることがあります。
∎中耳炎
耳の「中耳」という場所に細菌が感染し、粘膜が腫れたり膿がたまったりする病気です。
耳と鼻は、耳管という管でつながっているため、
副鼻腔炎の原因菌が耳管を通って中耳に感染したり、
副鼻腔の炎症が耳管のはたらきを悪くしたりして、中耳炎が引き起こされることがあります。
∎眼の合併症(眼窩内感染症など)
副鼻腔は目(眼窩)の近くに位置するため、
副鼻腔の炎症が目に及び、目が痛くなったり、涙が止まらなくなったり、
眼の疲れや視力障害などが起こることがあります。
適切な治療を行わなければ、重い後遺症が残ってしまうこともあります。
∎脳の合併症(脳膿症、髄膜炎、硬膜下膿瘍など)
まれではありますが、副鼻腔の炎症が脳に及んで、
脳膿症、髄膜炎、硬膜下膿瘍などが起こり、意識障害や麻痺などの症状が起こることがあります。
これらの合併症が起こると、重い後遺症が残ったり、死に至るケースもあります。
6.治療の種類
薬物療法やネブライザーなどを使った処置を行います。
それでも治らない時は手術を行うこともあります。
↓ 薬物療法 | ↓ 鼻吸引 | ↓ 鼻洗浄 | ↓ ネブライザー療法 | ↓ 手術療法
手術療法
薬物療法や鼻吸引、鼻洗浄などの処置を行っても副鼻腔炎が治らない場合には、
手術を行って、炎症を起こしている粘膜や鼻ポリープを取り除くことがあります。
以前は、鼻の中などから切開を行う手術が主流でしたが、
最近は、内視鏡を使った手術(内視鏡下鼻内副鼻腔手術:ESS)を行うことが増えています。
内視鏡下鼻内副鼻腔手術は、外科手術に比べ、患者さんの体の負担は軽くなりますが、
術後に薬物療法や鼻吸引、ネブライザー療法などをしっかりと続ける必要があります。
7.薬はどのように働くか
細菌の増殖を抑えたり死滅させる薬が使われます。
鼻づまりや鼻水、頭痛などの症状を軽くする薬も使われます。
↓ 抗菌薬(抗生物質など) | ↓ 気道粘液修復薬、気道粘液溶解薬、気道潤滑薬 |
↓ 消炎酵素薬 | ↓ 解熱鎮痛薬 | ↓ ステロイド