女性鬼師が作る「招鬼猫」を題材にした物語です。よろしければお読みください。毎週月曜日の投稿します。
招鬼猫物語第1話
今から 1300 年以上も前の中国、唐の時代のお話し。
明州の港から日本に向け出港しようとしている大きな船が見えます。
「ジャーン♪」と銅鑼が鳴ってます。
港で万頭を売っている楊おばさんが「スズ!早く船に乗らないと!」と 1 匹の可愛い金の鈴を付けた猫に言ってます。
楊おばさんは「この万頭も持って行くんだよ」とスズに万頭を渡しました。スズは「楊おばさん行ってきます」と尻尾を振り、大急ぎで船に駆け上っていきました。
「ジャーン!ジャーン!ジャーン!」出港です。
船上では大きなお腹に長い髭を生やした王船長がスズの帰りを待っています。
王船長は足元に駆け寄ってきたスズを見て「やっと帰って来たな、これから頼むぞ!」とスズを抱き上げました。
スズは「任せろ」と大きな目で返事をしました。