宇宙好きの皆さん、こんにちは!
デジタル化推進アカデミーの岩田敏彰です。
2025年11月に札幌市で開催された第69回宇宙科学技術連合講演会のセッションの紹介をしています。
必要なインフラ、磁場観測、高精細化手法、生命探査、地下空洞における水分子の保持可能性、地球上の洞窟で模擬実験、軽量で柔軟なプラスチック光ファイバーについて7件の発表がありました。
・JAXAは、将来の月面地下拠点の建設に向け、マズローの生理的欲求に基づき必要なインフラを14種類に整理しました。この「建設」から逆算するバックキャスト手法により、2030年代のUZUME計画における探査や実証の戦略を提案しています。
・東京大学は、UZUME計画において月縦孔内での磁場観測に向けた検討を行いました。アポロ12号のデータを解析し、磁力計1機でも地球磁気圏尾部通過時のデータを用いれば、地殻起源磁場を約20nTの精度で推定可能であることを示しました。
・東海大学などは、月探査計画UZUMEでの縦孔壁面調査に向け、連続撮像画像の重複領域を活用した高精細化手法を検討しました。JUICE(木星氷衛星探査計画)のフライバイ時の月画像に画素補間や平均化処理を施し、クレーターの視認性向上を実証しました。
・横浜国立大学などは、火星や月の地下空洞(縦孔)を生命探査や研究拠点として提案しました。実験で初期火星での有機物生成の可能性を示し、紫外線を遮る地下空洞が現存生命等の有力な探査場であると評価しています。
・総研大とJAXAは、月の地下空洞における水分子の保持可能性を3Dモデルで調査しました。緯度61度以上なら長さ100mの空洞でも水分子の10%が10億年以上残存し得ることを示し、極地以外での存在可能性を実証しました。
・佐世保高専などは、JAXAのUZUME計画と連携し、月や火星の縦孔・地下空洞探査に向けた模擬実験を地球上の洞窟で実施しました。探査ロボットの懸垂降下や物理探査、3Dモデル構築の進捗を報告しました。この研究では、私の地元、秋吉台でも実験がされています(今回の発表には含まれていません)。
・ケイ・エフ・シーなどは、軽量で柔軟なプラスチック光ファイバー(POF)センサを無人月面探査に応用する手法を提案しました。探査機の走行系や電気系の異常検知、太陽光を利用した省電力監視、月の縦孔の健全性維持への適用性を検討しました。
前回(第68回)での同名のセッションの概要:
前々回(第67回)での同名セッションの概要:





