宇宙好きの皆さん、おはようございます!

デジタル化推進アカデミーの岩田敏彰です。

 

2025年11月に札幌市で開催された第69回宇宙科学技術連合講演会のセッションの紹介をしています。

 

月面に存在する水を使ったロケットの推薬生成プラントの研究について8件の発表がありました。

 

・JAXAは、2040年の月面推薬生成プラント本格稼働に向けた技術ロードマップを策定しました。2024年度には民間企業と連携し、水抽出、水精製、電気分解プロセスの要素試作試験と課題抽出を行いました。

 

・ispace、千代田化工建設などは、月面での推薬生成に向けた水資源探査計画を提案しました。広域リモセンとドリル掘削等による狭域探査を段階的に組み合わせ、分布評価の精度を高める手法を概説しています。

 

・日揮グローバルとJAXAが、月面での推薬生成に向け、不純物を含むレゴリスから高純度な水を抽出する手法を検討しました。2段階の加熱制御により、水氷の昇華を抑えつつ揮発性不純物を先行して除去し、水純度が向上することを確認しました。

 

・日揮グローバルと日揮が、月面推薬生成プラント等の月面産業向けに、地上化学プラントや宇宙開発の知見を統合した「ミッション保証フレームワーク」を構築し、最適なリスクアセスメント手法を提案しました。

 

・横河電機と日揮グローバルは、月面推薬生成プラントを地球から遠隔制御する際の通信遅延問題を解決するため、地上実証システムを開発しました。モデル予測を用いて遅延を補償し、安定した制御が可能であることを実証しました。

 

・栗田工業は、持続的な月面活動に向け、月のレゴリスから抽出した水の純水化処理技術を検討しました。不純物除去の課題を整理し、消耗品を排除した持続可能な浄化システムの概念設計を行っています。

 

・筑波大学、NIMS、JAXAが、月面での水素液化に向け、可動部を排した「静止型磁気冷凍機」を検討しました。低磁場で大きな効果を持つメタ磁性体(Ho)を採用し、交流損失を抑えた高効率な設計を提案しています。

 

・岐阜高等専門学校などは、月面での水素液化に向け、機械的可動部のない「静止型」磁気冷凍機を検討しました。複数のコイルを磁気結合させた「吸磁回路」を新たに提案し、低電圧・低損失な励消磁システムの成立性を理論的に示しました。