何かに夢中で、何かに必死になってると
見なくていい事が影をひそめる。
そんな事なかったんだと、自分に安心を与える。
だって、本当に欲しい心は
例え私が生まれ変わってもきっと叶わない。
それくらい因果のない人だった。
今でも思い出すと息が止まるくらい彼を思っている。
仕草も笑い方も、話し方も、あなたの話す発音が大好きでたまらなかった。
彼は全てだった。
私の全てを持っていた。
なんて罪深く甘美な思いだろうか。
でも意地はってた。無理してた。周りの目が怖かった。
そんな自分がいる事にびっくりしたけど。
夢中になっている事が何も私になにも夢中にさせていない事を毎回痛感してしまう。
たった一文で、ただの挨拶の言葉すら私には 啓示の様に、まるで聖書を読んでいるかのような
神聖な気持ちになってしまう。
わかっている。どんなに努力してもどんなに思ってもどんなに愛しても
どんなに願っても
叶わない思いもある。
それはどんなに見たくなくても、目の反らしようのない残酷な事実。
生きている事がたまらなくなる事がある。
彼を思いすぎて。
その思いがあまりに辛くて。
どうしてこんな不毛の思いを未だに引きずっているんだろう。
もう7年になる。
会ってない。会ってくれない。
わかってる。
彼が私の気持ちを知っているから。
誰も彼の代わりにはならない。なるわけがない。彼は彼だから。
どうしてこう私を彼に戻してしまうのだろうか。
どうして他の人は私を繋ぎ止めてくれないのだろうか。
どうして私は彼をこんなに好きなんだろうか。
どうして会えないのにこんなに苦痛なのに、たった一文で引き戻されてしまうのだろうか。
闇はすぐそばにあった。私は忘れていなかった、一ミリも。彼はすぐに鮮明に蘇る。
彼のそばにいけない私が満たされる事は絶対にない。
だって彼は私を好きではないから。
どんな劫罰を受けてもいいから、もう一度彼に会いたい。
決して叶う事のない思いが捲れる度、自分が生きてる事が辛くて仕方ない。
でも死を自分から招く様な事はしない。だから我慢するから彼と会いたい。
もう一度会いたい。
例えそれでもう二度と会えなくてもいい。
どんなに楽しくても、ふっとした瞬間に捲れる。
その捲れた闇は吹き出し、決して私を今に戻してくれない。
辛い。闇が恋しいのが辛い。
今も、呼んでくれたらどんな事があろうと会いにいくのに。
ただその思いが一生叶う事はない。
