南半球からこんにちは。

サンセットのようなサンライズです。





オーストラリアで小児科看護師を始めて5ヶ月ちょっとが経ち、今日初めてインシデントを起こしました。インシデントレポートはIIMS(Incident information management system)と呼びます。


うちの病棟はインシデントがかなり少ないです。日本で成人看護をしていたときは患者さんが転倒したり、床に薬が転がっているだけでインシデントでしたが、ベビーが相手だからかそういうインシデントはありません。今いる小児病棟はとても忙しく、薬も多いですが、小児科は間違いが起こると大変なので、みんな気を張ってダブルチェックしているのもあるかもしれません。



今回は、点滴の内容(グルコース入り)と抗生剤が合わなかった(incompatible だった)というインシデントでした。実際に投与開始して、1分で気づいてストップしたので、患者さんには実際届いていません。が、PICCラインだったので、ライン交換から全てアクセスし直すという大掛かりな手間を朝9時に起こしてしまいましたショボーン



ちなみに薬(IVAB)のチェックですが、うちの小児科は

1. Dose check 

    体重をもとに、オーダーされた薬の量が正しいか計算します。わたしはdose÷weight を計算して、ガイドラインをチェックします。ガイドライン50mg/kg  for severe infection,などと書いてあるので患者さんの状態と合わせてチェック。量が大きすぎるまたは小さすぎる場合はドクターに確認します。(肥満の子など、時々ガイドライン通りじゃない量の場合もあるので。)


2. Meds for injection 

 薬名を病院のシステムを使って検索し、投与方法を確認します。1バイアルにつき例えば「4.6ml WFI to make 100mg/ml 」という感じで情報が書いてあるので、WFI(water for injection)4.6mlで薬を溶かします。
(こういうのは、慣れると覚えます。Benpenは5.2ml, Cefotaximeは4.6ml to make 200mg/mlとか。)

この情報を使ってまた計算。
もし必要なdose が350mgであれば、
350÷100=3.5ml

WFI4.6mlで薬を溶かして3.5ml使用することになります。


それを、もしプッシュして投与するならばどのくらい希釈(diluted)しなければいけないのかをガイドラインを見て計算、確認します。(プッシュしていいかどうかも、ガイドラインを見て判断します)


すでに点滴を投与中の場合は、ビューレを使って輸液投与(infusion )します。どのくらい希釈してどのくらい時間をかけて投与するか、これも計算します。

※ここで、投与中の輸液と薬がCompatible でない場合はシリンジドライバーを使って別ルートで投与します。”Compatibility “をチェックしていれば、『Sodium chloride 』、つまりNormal salineだけがこの薬とcompatible であり、グルコースはNGだったことがわかるはずでした。




(ここまでのチェックは全て薬部屋、Meds roomで終わらせ、ベッドサイドで5Rを全てもう一度確認して投与します)




今回は新人さんが薬のチェックがほぼ初めてで、かなり時間をかけて教えたので、Doseや計算に集中しすぎてCompatibility を飛ばしてしまっていました。TL(チームリーダー)とわたし、2人の責任ですが、オーストラリアで初のインシデント、しっかり反省しています。。。。

日本では薬と輸液はセットでオーダーされることが多く、自分で判断することはあまりなかったので、チェックがまだ習慣付いてないのかもしれません。必ず毎回チェックするよう切り替えます!







5ヶ月たって、だいたいのことに慣れた頃。
気をつけなさいと誰かが教えてくれたような気がします。
薬はやっぱり、こわいです。







Fumi



週1回は病院にきてくれる、子どもたちのためのtherapy dogたち。今日はわたしが癒されました。。。