東京バレエ団50周年記念ガラ公演。ギエムのボレロを観たくて初日NHKホールと千秋楽の富山に出掛けた。


東京の初日はいつもの力強さが感じられなかったけれど、今日の富山公演は、エネルギーに満ち、一つ一つのポーズや音の取り方もより洗練され、現在のギエムならではの円熟。


ボレロはダンサーの存在そのものを浮かび上がらせる踊りで毎回違った良さがあるけれど、今日のギエムの公演が一番好き。

女王のように輝くギエムから、集中力や積み重ねの素晴らしさを感じる。


バレエ団の若手女性ダンサーも技術と表現力を兼ね備え、伸びやかさが際立っていた。
西本智実演出、指揮の演奏会形式による、法村圭緒さん、中村美佳さんの大人のロメオとジュリエッタ。


ロレンツォ神父に助けを求める中村さんの演技に、密かに結婚したばかりのロメオがティボルト殺害の罪で追放を宣告され、パリス伯爵との結婚を迫られるジュリエッタの嘆きが良く表れていた。


振り付けはスローモーション、ストップモーションの象徴的な動きだけで、より音楽に比重を置いた版を観てみたい。プロコフィエフの音楽は、物語を明確に語って、様々な感情を浄化していく。


物語もベローナの支配を巡って争ってきたモンタギュー、キャプレットの両家が、ロメオとジュリエッタの悲劇に、長年の不和を後悔して和解する場面で終わっている。

トークイベントでのピアニストの松岡さんの丁寧な演奏も見事だった。わずか数フレーズの冒頭のモチーフだけで、ロメオとジュリエッタの世界を描き出していた。


公演期間を増やし、出演者も日替わりで、やんちゃなロメオとお転婆なジュリエッタ、あるいは壊れそうに繊細な二人も現れると面白い。
神戸オリエンタルホテル ミュージックワイナリー ロシア民謡の夕べ


黒い瞳は、扇情的な目を持つロマ(ジプシー)の女性への恋の激情の歌。歌手の黒澤麻美さんは磨かれた滑らかな歌声。ピアノは戎洋子さん。


司会の西本智実さんは、様々な国の音楽を通して魂のルーツを探している気持ちになる、ロマの魂を揺さぶられるような音楽に触発される、黒い瞳のような大恋愛はもう一回くらいしてみたいとのお話。


異なる文化に接する事も恋愛も自分を知る契機で、アイデンティティークライシス。

ロシア民謡を聴いて過ごしていた頃や、東洋と西洋が混在するブダペストで、ずっとふわふわ浮いているような感覚にとらわれていた事を思い出していた。