劇途中から少しの吐き気と重たい心



なのにドビュッシーとリリイの音が綺麗



そして田園が綺麗でたまらない。



リリイのすべてというか、リリイが全てだったんだ





エーテルとはなにか。



皆が共通して持つ普遍的な価値観

美への感知



田舎は静かで綺麗なだけじゃない

都会とはまた別の、異質な空気を含む



劇中で登場人物がレイプされたり、死んだりしたにも関わらず、心が痛まなかった

そんな自分が怖い



だけど田園が広がる大地で風に吹かれながら音楽を聴く、それだけには共感できた。




みんな1人の時間が必要で、なにか心の拠り所のような、すがるものが必要で。

でもそれは心には不健康な気もして。



部屋で見てたから、息が詰まって外に出たくなった

だから外に出た


絶望と希望が入り混じったような感情



いつもの道から違う雰囲気がする



しばらく歩いていたら、死を実感して鳥肌が立ち、涙が出た

そういえばこの前、人生初の朝帰りをしたときいつも通る道に鳩が死んでた



何も感じなかった



今なら異質ななにかと繋がれるような気がした



目に映るものがすべて不気味に思える



全てが狂気じみて見える



心の中に石ができたような感覚


もしかしたら、前からあったそれが見ないふりしないようにわかりやすく現れてくれたのかもしれない


とにかく、今は鳥肌が立つ

もしかしたら、鳥になって飛べるのかもしれない

でも実際は飛べない



皆同じように抱えてる何かがあって、その共通する普遍的ななにかがエーテルであり、その生みの親がリリイシュシュだったのかもしれない



光と闇、光と影

そしてドビュッシー

印象派の絵画のような映画?

重なるところは確実にある。

その重なった部分がエーテル。



部屋に戻ってくると何も考えられなくなる



リリイシュシュを見た人だけが知っている時間



また観れるかって聞かれたら、今は答えられない。

今からまたみるのは本当に無理








星野が狂った理由を考えたい

予告には一度生と死の狭間に立ちそれからおかしくなった。そうあるが私にはそれだけが理由とは思えない。

それはきっかけにすぎず、彼を取り巻いていたあらゆる闇がそうなるよう葬ったような気がする


思い出した。星野が溺れてるとき、確かに私も溺れていた

苦しくて悲しくて仕方なかった

私も息をしていた覚えがない


でも陸に上がった星野を見て、どこか突き放すような目で見てしまった



「リリイの歌を聴いてると、エーテルが満ちてくる」

「あのとき、空に溶けていくような感覚……あれがエーテルなんだと思う」

「エーテルは、リリイにしか出せない」

「エーテルは、光」

「世界のノイズを一瞬だけ消してくれる」


苦しい

息がしづらい


ここまで人の心の奥深くに届く作品を作る岩井俊二、すごい。何者なのか