まず、各研究のエビデンスレベルを見てみる。

ピラミッド状になっており、systematic reviewが最上、

そして、ランダム化比較試験(RCT)、コホートスタディと続く。

 

ちなみに最下層には専門家の意見が位置している💦

自称、他称の専門家がテレビで語った内容というのは、この階層に位置する。

 

これまで複数のlコホートスタディや症例対照研究で大腸内視鏡検査による検診が、大腸がん死亡率を

減らす可能性は高いと考えられてきた。

しかし、それは下記の通り、あくまでRCTの結果が出るまで、大腸内視鏡でがん検診を行う根拠、

拠り所とされていたわけだ。

 

「A demonstrated reduction in mortality with colonoscopic polypectomy is a critical prerequisite for continued recommendations of screening colonoscopy in clinical practice while we wait for the results of randomized, controlled trials of screening colonoscopy」N Engl J Med 2012;366:687-696

 

進行中の5つのRCTの内、NordICC studyでは、大腸内視鏡検診は10%のがん死亡率減少しか見られなかった。

これは内視鏡検査を受けた人がわずか42%であることに起因しているが、かりに全員が内視鏡を受けたとしても、

がん死亡率減少はおよそ30%だという。

これは便潜血で行われるがん検診とほぼ同じ程度であり、費用対効果や合併症の面からも対策型検診に大腸内視鏡検査を組み込むのは難しいのではないだろうか。

 

未発表の4つのRCTの結果が待たれる・

 

・AKITA pop-colon trial(日本)

・COLONPREV Study(スペイン)

・SCREESCO (スウェーデン)

・CONFIRM(アメリカ)