散弾銃であれ、ライフル銃であれ、近射における照準機としてのドットサイトの優秀性は、今や完全な定説となっております。

ドットサイトは、スコープで言うパララックスという現象を克服し、アイリリーフという制限を気にしなくて構わない照準機です。詳しいことは専門の解説を参照していただくとして。

照準機の赤い点と標的の二つを、照準器の画面の平面上で合わせるだけで命中するのがスコープとかドットサイトです。老眼向きの照準機構です。

それに対して、多くの銃に標準的に装着されている、アイアンサイトと呼ばれる照門と照星からなる照準器は、照門、照星、標的の3点を縦一列にそろえることにより命中するわけで、距離が異なる縦3点の焦点を瞬間的に合わせるには、眼が若くなければ困難であります。

そんなわけで、私は現在所持している散弾銃2本とライフル銃1本のうち、ライフル銃にはスコープを、散弾銃1本にはドットサイトを装着して来ました。

ただ、今まで使用して来たドットサイトは、廉価版でして。射撃場に持って行けば、それなりに当たるし、実猟でもそれなりに結果は出して来たのですが。

何となく不安と言うか。不満と言うか。使い勝手に微妙な違和感を感じていました。

そこで、この度、意を決して。少々お高いドイツ製のツアイスコンパクトポイントというドットサイトを購入してみました。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

まだ実射では使ってはいませんが。

20番上下二連散弾銃に装着して。レーザーボアーサイターという銃腔に入れてレーザー光線を銃口から照射することにより、銃口の向きを正確に表示する小道具を入れて。

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レーザーボアーサイターが約40メートル先の目標物に造る赤点と、ドットサイトの画面の赤点を重ねることによって照準を合わせてみました。

何で40メートルかと言うと。上下二連銃の2本の銃身の銃腔の方向は普通40メートル先で交差するように組まれていると聴いたことがあるからなのです。

そして、挙銃してサイトを覗く時に、きちんとした照準。わざと左右に顔をずらした歪んだ照準とかを試みてみて、重なった二つの赤点にずれが出来るかどうかを試してみました。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記


ユリウス@素人ハンターの出猟日記


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画像は後刻に撮影したイメージですが。一応、ずれは生じないようです。

ツアイスコンパクトサイトは、スクリーン式のドットサイトですが。画面も見やすく、素早く照準出来そうに感じます。

ドットサイトにはこのようなスクリーン式以外に、スウェーデン製のエイムポイントのようにチューブ式の物も存在します。

チューブ式の利点は、非常に頑丈で軍用銃のようなコンバットを経験しなければならない条件で使用しても故障しないということでしょう。

スクリーン式は、そんな荒っぽい条件にはひ弱な感じを受けますが。照準のしやすさそのものではチューブ式に優るのではないかと思います。

ただ、私のような勢子として銃を使っている者にとっては、本当はチューブ式の方が適しているかも知れません。

次は、射撃場で撃ってみるか。実猟で使ってみるかです。

今回は上下二連銃に装着したのですが。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

ドットサイトとかスコープのような照準機を単身銃に装着する際には、ボルトアクション銃や半自動ライフルのようなレシーバーと銃身がものすごく強固に固定されている銃の場合にはレシーバーに直接マウントを固定して装着するのが普通ですが。

自動散弾銃とかスライドアクション散弾銃のように、先台に付けられたキャップ1個で簡単に銃身を取り外すことの出来る銃のレシーバーに直接サイトを装着すると、照準の正確性がひどく損なわれますので要注意です。

何となれば、そのように簡単に銃身を取り外すことの出来る銃は、レシーバーと銃身の間にはいくら強固に感じられていても、常にガタが存在するからなのです。そして、弾丸は必ず銃身から発射されるものだからです。

確かに、サドルマウントとかいうレシーバーに跨ったようなマウントも存在しますが。照準の正確性という点から見れば話しにならないと思います。10年以上前に自分自身が試みた結果ですから確かです。

そのような銃の場合、カンチレバーという銃身に固定していてレシーバーに被るように後ろに突き出ているマウントを利用すれば、素晴らしく正確に照準することが出来るものであります。


ぷれでたー遠藤の独断的犬論