はい、RayuTube登録者様1,150人です、はい、微増中ですね♪
Live告知がありましたよ?(4回目)
12/17日(sat)20:30~、クリスマス前です、何を語るのか楽しみです(#^.^#)
バウンディ 泣き地蔵
リクエストではないですが、少し話が出たのです♡
さ、師走になりました。
皆さん、忙しい日々だと思います。
マイペースの読書感想記事です。
『彼女たちの場合は』江國香織(著)集英社
表題からは察せず。
彼女達とは可憐な少女2人です。その彼女達の壮大な家出(笑)物語でした(笑)
壮大過ぎて、ちょっとした旅行記です、トラベル物とも言える。
誰しも、人生の逃避行というか、見たことが無い世界に憧れます。
もしくは、想像の中にある風景を一度は見たい!もの。
自由な時期に、それも青春期に!
そんな作品は様々にあって。
(iuの中ではスタンド・バイ・ミー(笑))
(映画「エリザベス・タウン」(笑))
特徴としては、まぁ、彼女達の旅行が楽しい事、楽しい事♪
行きたい処に行く、それが旅の目的です。自由過ぎて楽しくて当たり前か。
とりわけ、礼那(れーな・14才)が、とても純粋な考えの娘で可愛いです。
(幼すぎる感じがするけれど、作家はこの年頃をそう捉えてるんでしょうね)
れーなは、嬉しい事があるたびに、逸佳(いつか・17才)に、こうします。
「チーク♪」頬寄せ!
いつかとれーなは親戚関係で、年下の礼那から見た逸佳は。
そう言えば、夏に着ていたビキニも鮮やかな青だった。
それで男の子みたいに短い髪をした、背が高くて瘦せっぽちの、昔からよく知っている従姉のおっぱいが、大人みたいにちゃんとたっぷりしているのを見て、この夏に礼那は驚愕したのだった。(原文のまま)
ね、可愛いでしょ?
と、一方で。
合わせて描かれるのが、困惑する両親の姿、想いです。
何てったって、家出同然、もうほぼ家出です。
(正確には、突然?消えた印象。これは少女達の思慮が足りない)
普通心配します。
期間が一週間や、一か月そこらじゃありません、約半年だもの(笑)
勿論、理由はあって。(後述)
少女達に悪気はないんですけど、ね。
で、残された両親、家族は気が気じゃありません。
ましてや舞台は物騒な国、アメリカです。
生きてるのか、事件性は?と当たり前に思う、時間の経過と共に。
この辺りの『待つ親の心理』も、時系列で詳しく描かれます。
娘達の楽しい旅行はどんどん進む。
両親の心配も、どんどん積る。
こんな物語の展開です。
でもね。
両親の心配、判るけれども、その大人達だって内心は(無事の絵葉書も届くようになるし)2人を応援しています(1名を除く)。
読者は割り切って、少女達の冒険記と受け止めて。
応援する気持ちで、旅行模様を楽しめばいいんだ、と思います。
ストーリーは。
日本からの留学生、逸佳は、居候先の従妹、礼那と或る日突然、旅行に出かけます。
両親には何も告げず、現に両親(主に礼那の両親)が最初に感じたのは「誘拐事件」でした。
確かに、突飛な大それた企みでしたが。
それでも1~2か月の旅行のつもりだった筈(主犯格・逸佳の気持ち、礼那の進級もあるし)
でも突然、旅先でクレカの使用停止がかかり、事態は変わる。
(大人達は、旅を出来なくするつもりで措置します、それが裏目に出ます)
結局、2人の旅行は都合半年の、大失踪になりました。
順路を図にしてみます。
赤→が進路、青→が帰路です。
右上端が出発地点、ニューヨーク。
(中央やや右下・ナッシュビルで長い滞在になります)
左端がもう西部、サンタフェです(笑)
こんな行程を旅をした訳です、ああ、もう立派な北米旅行記(>_<))
当然痛みもあって、それは両親達の、我が子を心配する痛みでした。
この部分は考えさせられるというか、わが身に置き換えて思う処、でしょう。
作家は、大らかな女性として理生那(りおな・礼那の母)、狭量な心の夫・潤(じゅん)を描きます。
心理状況はよく解りますが、これは男女逆の場合もあり得ますね。
母親がヒステリックに、父親が雄大に構えるケース。絶望した場合などは特に。
ネットを活用して、安否情報を募る辺りは、父親・潤に男性脳を感じます。
元気な絵葉書を見るにつけ、だんだん落ち着きを取り戻す母親・理生那。
「もっと遠くへ行きなさい」と願う彼女には、命のつながりを知る母性を感じました。
さて、江國香織という作家。
とても抒情的に美しくアメリカを捉え、軽妙に、弾むような笑顔の少女達を描きます。
それもその筈、児童文学作家であり翻訳家でもある彼女、山本周五郎賞・直木賞作家です。
同時にジェンダーの問題に鋭い視点、意見を持っていて。
そんな筆力が少女達の描写に合わせて、(男女の考え方の違いを絡め)両親に問いかけてきます。
どうする、と。
子供達が、意志を持って憧れを追っている、どうする?
思えば。
半分は夢のような、素敵な旅の物語でした(少女達)
半分はこの事態をどう受け止めるか、と悩乱する物語でした(両親達)
後日談はあるのですが、回収が上手で驚きました(少し触れられます)。
こんな言葉が、物語にはピッタリですね。
『遠くに行くことはある種の魔法で、戻ってきたときにはすべてが変わっている。』
ケイト・ダグラス・ウィギン (小説家)(iu調べ)
面白いし、色々考えさせられました。変化を求める方に、是非読んでほしい♪