高市法案は実質的に死んだとはいえ、有害情報の法的定義は残る可能性がある。またホットラインセンターに警察官が出向していることなどからも、警察の関与は残る。本当に「民間の第三者機関」になるのかどうか、監視する必要があろう。


他方、小倉秀夫さんの懸念のように、民間ベースで公正な運用が行なわれるのか、という問題が出てくる。これは経済学でも古い問題で、初等的な教科書では「市場の失敗」があるときは政府がやるべきだということになっているが、実際はそれほど単純ではない。


公的な目的を達成しようとするプリンシパル(国民)とそれを受託するエージェント(民間業者)が完全な契約を結ぶことができれば問題はtrivialで、国営化の必要はなくエージェントを規制すればよい。しかし完全な契約を結ぶことはできないので、どういう場合に民営化が望ましいのかという問題については多くの研究がある。

誤差項についての標準的仮定
系列無相関
分散均一性
説明変数との無相関
正規性
のうち、1-3を満たすとき、ガウス=マルコフの定理が成立する(4は不要であることに注意せよ)。
ガウス=マルコフの定理とは、最小二乗推定量は、BLUE (Best Linear Unbiased Estimator) すなわち最良線形不偏推定量である。言葉を換えると最小二乗推定量は上記の仮定を満たす限り、線形かつ不偏な推定量の中でもっとも望ましい性質(分散最小化・有効性)を持っているのである。また、多次式、指数、対数、ロジスティック方程式は、 変数を一次に変形した回帰方程式で表わせる。


単係数の有意性
最後に、単回帰分析によって得られた最小二乗推定量の棄却可否は、 最小二乗推定量が定数項と説明変数の数の和を自由度とするt分布に従うことから、t検定によって検定される。Null Hypothesis、すなわち帰無仮説で係数を0とするt valueが高いほど有意である確率、つまりモデルが棄却される確率であるP値が低くなる。


統計的仮説検定の論理を厳密に辿るなれば、この検定では係数が0か否かを検定しているに過ぎず、たとえ帰無仮説を採択できなくなったとしても、それが係数が他の特定の値であることを支持しているわけではない。対立仮説の設定いかんにより、片側検定・両側検定の違いはあっても、検定していることは0かどうかということだけである。

計量経済学(けいりょうけいざいがく、Econometrics)とは、経済学の理論に基づいて経済モデルを作成し、統計学の方法によってその経済モデルの妥当性に関する実証分析を行う学問である。分析の対象となる経済系列は、次の3種類に大別される。


交差系列 (Cross section Data):同一時点での様々なData。例えば、ある時点で47都道府県の人口、人口密度、男女比などを調べたもの。 時系列 (Time series Data):同一種類のDataを様々な時点で取ったもの。例えば、ある都道府県の人口を時間を追って調べたもの。 交差時系列 (Panel Data):交差系列 (Cross section Data) で時系列 (Time series Data) である系列。例えば、47都道府県の人口を時間を追って調べたもの。パネルデータと呼ぶことが多い。


実証分析は、多くの場合回帰分析を通じて行われる。回帰式の推定方法には様々なものがあり、最も基本的なものがOLS (Ordinary Least Squares)、最小二乗法である。被説明変数 Yi を説明変数 Xi で表す回帰方程式、