夫は、私がいちばん勝った株です。
夫とは、婚活で出会いました。
20代の最後に、同棲していた穀潰しと縁を切って、私が得られる最高の男を求めて、手に入れた人が夫です。
最初、年収800万円で狙ったら、30代後半以上しか、かからなかったので、これじゃ頭打ちかなと思って、年収を下げて、1歳違いだった夫を青田買いしました。
夫は、院卒のエンジニアで、小手先のエンジニアとは比較にならないことは、すぐにわかりました。
私は、夫の知性に惚れていました。この人の子供なら、優秀な子供が生めるだろうとも思いました。
結婚したあとも、夫はどんどんポジションを上げて、どんどん稼ぐようになりました。私は、見込みどおりの結果に、満足していました。
夫は穏やかな人だし、何の不満もなかったのですが、息子が生まれてから、私達の関係は、少しずつ変わっていきました。
夫は元来、やってもらって当たり前、受け身なんですね。二人暮らしのときは、それでも良かったのですが、子供が生まれて、私は息子が二人、といった感じになりました。
仕事をして、家事をして、子供の相手をして、私は日々を回すのにいっぱいいっぱいで、夫の相手ができなくなりました。夫との会話は、業務連絡のみになりました。
また夫は、息子がまだ0歳のときから、自分の時間が欲しいと言い始め、私はまだ赤ちゃんだった息子を連れて、毎週日曜日、実家に帰るようになりました。
私は、夫はクリエイティブな仕事だから、ひとりで考える時間が必要なんだ、と自分に言い聞かせました。
そうして私達は、共有する話題も、時間も、どんどん少なくなりました。
すごく仲が悪い、というわけではありませんが、心はどんどん離れていってしまいました。