実家を出発する

この夜は悪天候でした

次はまたいつ来られるのか?

歳を追う事に能代が遠く感じる…


若い時の様に身軽に来れない

年月を重ね昔のコトの様に思える

能代の街が変わったから

帰郷しても誰とも会わないから


こんなコトが遠く感じる理由だろう…


老いれば故郷が恋しくなる…

そんなモノだろう…


1人能代に住む母親…

いつまでも元気な訳では無い

亡くなればまた状況も変わるだろう

実家が無くなり帰郷する場所も無くなるかも

母親を1人にしてしまったコトに

いつも後悔する…


その姿を振り返り出発した…


車を市内方向に向け一周する…

相変わらずショウモナイ俺だ…

雨の能代市内…


そして貴女の実家の前を通る

貴女の部屋に明かりが点いていた…

直ぐそこに貴女はいる…

一度停車し、窓を開け明かりを見た…


「元気なのですか?」


心の中でそう言い…

俺は帰路についた…


真っ暗な秋田道をひたすらに黙って走った

いつもの「能代病」はなかった…


それが少し寂しかったコト

それが少し安心できたコト


もう…

貴女は俺の中に住んでいないのかな…


夜が明け現実世界の…

いつもの生活に戻った…


俺の帰れる場所に…