チェギョンはベッドの背をあげてベッドに凭れながら、窓から見える空を見つめて思 い出していた。
《あれはすべて夢だったの?》
《あんなにリアルな……ユル君》
《シン君の手の温もり……》
そんなチェギョンにチェ尚宮がそっと温かいお茶を置いた。
『あっ、ありがとうございます。』
『いいえ、どこかお身体がすぐれませんか?』
『大丈夫です。 あの……お聞きしてもいいですか?……私がシン君……いえ、殿下のお側に…いいのでしょうか?』
『不安でございますか?
クスッ、チェギョン様はお可愛らしい方でございます。殿下がお離れにならないはずでございますね。
チェギョン様のご心配は何もないかと。
お倒れになられたチェギョン様を抱き抱えられたまま車に乗り込まれ、こちらに着いてからも、今お帰りになられるまでずっと病院内に留まられチェギョン様のお側にいらっしゃいました。
お目覚めになられたチェギョン様に一番に会うのはご自分だとおっしゃられて。』
『えっ、あの……私はどのくらい眠っていたのでしょうか?』
『1週間でございます』
『そんなに……』
『それから、殿下とチェギョン様のロマンスが、今マスコミでもっとも騒がれていることでございます。本日の新聞にも、こちらの雑誌にも記事がございます。』
と言って見せて貰って驚くチェギョン。
そこには
【プリンススマイルをもたらした許嫁】
【未来の皇太子妃は皇太子も通っていた高校にいた】
【庶民からプリンセスに 】
『どうしよう、こんなに沢山……このなに騒がれているなんて怖いかも。』
《でも皇太子妃なんて私には……。》
そこに宮からシンが戻ってきた。
『おかえりなさい、シン君。』
『///ああ、ただいま、チェギョン』
昨日までは眠っている顔しか見る事が出来なかったチェギョンに、【おかえりなさい】と迎えられたシンはなんともいえない擽ったいような感覚を味わった。
『チェギョン、退院の日を決めよう。そして、二人で少し静養に行こう。』
『いいのかな?シン君は皇太子なのに一緒になんて。』
傍らにある新聞や雑誌を見たシン。
『陛下にも、チェギョンのお爺様にもちゃんと許可をとってきた。だから、大丈夫だよ。』
シンは医師にチェギョンの精密検査の予定を急かさせて、あっさり退院日を決めてしまった。
《退院の日》
シンはマスコミがいる皇室専用玄関ではなく、マスコミに気づかれないように一般出入口から堂々と車に乗り込む。が、あまりにあっさり出られたから二人は驚いてた。
シンが運転する車
『ククッ、あまりにも簡単だったな』
『まさか皇太子殿下がこの一般の出入口を使うなんて思わないから。』
と、なんとも呑気に思っていた二人だが、国民が連日報道されている、しかもあの目立つ容姿に気づかないわけもなく、携帯動画であっというまに間にオンライン上に二人の姿を捉えた動画が流れるのであった。
【皇太子殿下?王立病院の一般出口に現れる】
【皇太子と美少女】
【皇太子の彼女、可愛いい】
【皇太子殿下、彼女の退院】
【皇太子と手を繋ぎ歩く二人】
【皇太子運転の車と助手席の彼女】
こんな風に次々と書き込まれているとは、車を走らせている二人はつゆ知らず。後から知って驚くことになるのだが……。
出し抜かれた形になったマスコミは、宮に極秘退院であったのかなどとコメントを求めて対応におわれたか……と思いきや、ヘミョンの一言で静観するのであった。
『お父様、シンがシンの許嫁と……ということは国民はもう知っているわ。チェギョンの姿がはっきりわからないらマスコミは追いかけているのよ。これはスキャンダルでもなんでもないわ。シン任せればいいわよね。』
と、ウィンクしながら悪戯っぽく言う。
《宮 夏の離宮》
車が着いた場所を尋ねるチェギョン。
『ここは?』
『宮の夏の離宮だよ。落ち着く場所なんだ。海が近いから後で浜辺に行こう。チェギョンには明日、見せたいものもあるし。』
そこにこの離宮の担当内官が現れる。
『殿下、いらっしゃいませ。』
『突然、すまない。一晩よろしく頼みます。』
『かしこまりました殿下。宮よりご伝言がございます。
今、オンライン上でチェギョン様のご退院のご様子が騒がれておりますので、殿下ご自身でご対応をご判断下さいとのことでございます。』
気づかれていないと思っていたのは二人だけでしっかり撮られていたなんて……と思いながら早速オンライン上の書き込みを見る。
ほとんどが肯定的だが、中にはまだなにも発表されていないのにと誹謗するものも見受けられた。
そこでシンは宮の広報からではなく、自ら動画でコメントをアップした。
『国民の皆様、イ・シンです。
この度は皇太子妃に関する宮内部のいざこざで世間をお騒がせしました。
陛下の会見にてご説明させていただいた通り、私には許嫁がいます。しかし、彼女とは許嫁としてではなく、ごくごく普通に出逢い……あっ、正しく伝えないとダメですね。
彼女と僕は、僕の一目惚れから始まりました。……///こんなこと、恥ずかしいですね。
僕は彼女に振り向いて欲しくてそれはいろいろ努力しましたよ。世の男性ならお分かりでしょうが……。
そして、やっと彼女が僕の手を取ってくれた直後に今回のこの事件が起こりました。
皆様も動画をご覧になったかも知れませんが、やっと彼女は元気になりました。
しかし今話した通り僕たちは、二人で恋人の時間を過ごしたことがありません。
だから今回彼女の静養も兼ねて、二人の時間を持ちたくなった僕が彼女を連れ出したんです。
皆さんには見つかってしまいましたが。
それから、これからはデートもしてみたいですね。
これは僕のわがままかも知れませんが、僕は特別な人間ではありせんから、僕の気持ちをご理解下さればと思います。』
異例の皇太子自ら赤裸々に気持ち話したことにより、同世代の若者のみならず大人たちにも偽りのない姿が好感をもたれて、国民は二人を暖かく見守り、この二人の新しい宮を楽しみにするのであった。
《あれはすべて夢だったの?》
《あんなにリアルな……ユル君》
《シン君の手の温もり……》
そんなチェギョンにチェ尚宮がそっと温かいお茶を置いた。
『あっ、ありがとうございます。』
『いいえ、どこかお身体がすぐれませんか?』
『大丈夫です。 あの……お聞きしてもいいですか?……私がシン君……いえ、殿下のお側に…いいのでしょうか?』
『不安でございますか?
クスッ、チェギョン様はお可愛らしい方でございます。殿下がお離れにならないはずでございますね。
チェギョン様のご心配は何もないかと。
お倒れになられたチェギョン様を抱き抱えられたまま車に乗り込まれ、こちらに着いてからも、今お帰りになられるまでずっと病院内に留まられチェギョン様のお側にいらっしゃいました。
お目覚めになられたチェギョン様に一番に会うのはご自分だとおっしゃられて。』
『えっ、あの……私はどのくらい眠っていたのでしょうか?』
『1週間でございます』
『そんなに……』
『それから、殿下とチェギョン様のロマンスが、今マスコミでもっとも騒がれていることでございます。本日の新聞にも、こちらの雑誌にも記事がございます。』
と言って見せて貰って驚くチェギョン。
そこには
【プリンススマイルをもたらした許嫁】
【未来の皇太子妃は皇太子も通っていた高校にいた】
【庶民からプリンセスに 】
『どうしよう、こんなに沢山……このなに騒がれているなんて怖いかも。』
《でも皇太子妃なんて私には……。》
そこに宮からシンが戻ってきた。
『おかえりなさい、シン君。』
『///ああ、ただいま、チェギョン』
昨日までは眠っている顔しか見る事が出来なかったチェギョンに、【おかえりなさい】と迎えられたシンはなんともいえない擽ったいような感覚を味わった。
『チェギョン、退院の日を決めよう。そして、二人で少し静養に行こう。』
『いいのかな?シン君は皇太子なのに一緒になんて。』
傍らにある新聞や雑誌を見たシン。
『陛下にも、チェギョンのお爺様にもちゃんと許可をとってきた。だから、大丈夫だよ。』
シンは医師にチェギョンの精密検査の予定を急かさせて、あっさり退院日を決めてしまった。
《退院の日》
シンはマスコミがいる皇室専用玄関ではなく、マスコミに気づかれないように一般出入口から堂々と車に乗り込む。が、あまりにあっさり出られたから二人は驚いてた。
シンが運転する車
『ククッ、あまりにも簡単だったな』
『まさか皇太子殿下がこの一般の出入口を使うなんて思わないから。』
と、なんとも呑気に思っていた二人だが、国民が連日報道されている、しかもあの目立つ容姿に気づかないわけもなく、携帯動画であっというまに間にオンライン上に二人の姿を捉えた動画が流れるのであった。
【皇太子殿下?王立病院の一般出口に現れる】
【皇太子と美少女】
【皇太子の彼女、可愛いい】
【皇太子殿下、彼女の退院】
【皇太子と手を繋ぎ歩く二人】
【皇太子運転の車と助手席の彼女】
こんな風に次々と書き込まれているとは、車を走らせている二人はつゆ知らず。後から知って驚くことになるのだが……。
出し抜かれた形になったマスコミは、宮に極秘退院であったのかなどとコメントを求めて対応におわれたか……と思いきや、ヘミョンの一言で静観するのであった。
『お父様、シンがシンの許嫁と……ということは国民はもう知っているわ。チェギョンの姿がはっきりわからないらマスコミは追いかけているのよ。これはスキャンダルでもなんでもないわ。シン任せればいいわよね。』
と、ウィンクしながら悪戯っぽく言う。
《宮 夏の離宮》
車が着いた場所を尋ねるチェギョン。
『ここは?』
『宮の夏の離宮だよ。落ち着く場所なんだ。海が近いから後で浜辺に行こう。チェギョンには明日、見せたいものもあるし。』
そこにこの離宮の担当内官が現れる。
『殿下、いらっしゃいませ。』
『突然、すまない。一晩よろしく頼みます。』
『かしこまりました殿下。宮よりご伝言がございます。
今、オンライン上でチェギョン様のご退院のご様子が騒がれておりますので、殿下ご自身でご対応をご判断下さいとのことでございます。』
気づかれていないと思っていたのは二人だけでしっかり撮られていたなんて……と思いながら早速オンライン上の書き込みを見る。
ほとんどが肯定的だが、中にはまだなにも発表されていないのにと誹謗するものも見受けられた。
そこでシンは宮の広報からではなく、自ら動画でコメントをアップした。
『国民の皆様、イ・シンです。
この度は皇太子妃に関する宮内部のいざこざで世間をお騒がせしました。
陛下の会見にてご説明させていただいた通り、私には許嫁がいます。しかし、彼女とは許嫁としてではなく、ごくごく普通に出逢い……あっ、正しく伝えないとダメですね。
彼女と僕は、僕の一目惚れから始まりました。……///こんなこと、恥ずかしいですね。
僕は彼女に振り向いて欲しくてそれはいろいろ努力しましたよ。世の男性ならお分かりでしょうが……。
そして、やっと彼女が僕の手を取ってくれた直後に今回のこの事件が起こりました。
皆様も動画をご覧になったかも知れませんが、やっと彼女は元気になりました。
しかし今話した通り僕たちは、二人で恋人の時間を過ごしたことがありません。
だから今回彼女の静養も兼ねて、二人の時間を持ちたくなった僕が彼女を連れ出したんです。
皆さんには見つかってしまいましたが。
それから、これからはデートもしてみたいですね。
これは僕のわがままかも知れませんが、僕は特別な人間ではありせんから、僕の気持ちをご理解下さればと思います。』
異例の皇太子自ら赤裸々に気持ち話したことにより、同世代の若者のみならず大人たちにも偽りのない姿が好感をもたれて、国民は二人を暖かく見守り、この二人の新しい宮を楽しみにするのであった。