先週ムスメがインフルになり、ムスコも風邪っぴき・・・ということで1週間近く基本家に籠ることになった機会に読みたかった本を読破できました!
"Helping Chirdren" ポール・ダフ
人が何かを成し遂げたりするのに「非認知スキル」が必要であることを広めた著者の最新作です。
非認知機能とは
"やり抜く力(グリット)、好奇心、自制心、楽観的な物の見方、誠実さといった気質は、非認知スキルと表現されることが多い。"
と本書で紹介されています。
日本でも7人に一人の子供は相対的貧困であるといわれていますが、アメリカでは半数以上の子供が貧困家庭に育っているそうです。
そんな格差社会でいかに貧困層の子供たちの手助けができるか、非認知スキルを高めるためにはどうすればいいか、様々な研究から考察されています。
このテーマは私の中でもずっと大きく問題意識を持っているものでした。
私自身、家庭(というか父)に問題がある中で育ち、父が亡くなる20歳までは家の中がどんよりしていたのですが、奨学金で大学を卒業し、自分で働き始めてからは本当に何もかもが楽しくて好奇心の赴くまま行動し、今に至っています。
そのため、貧困家庭でも今の日本では色々な救済策があるし、頑張れば助けてくれる人はたくさんいるのに、家庭状況を理由に投げやりな生活を送っている人は「甘えているのでは・・」と感じる点も正直ありました。
でも子供たちに接していると、本当にどの子も純粋でそれぞれ素敵な個性を持っていて、
なぜ人や自分を傷つけるような大人になってしまうのか・・・どのタイミングで引き返せなくなってしまうのか疑問に思っていました。その私の疑問にこの本は答えてくれているように思います。
"困難な環境で育った子供たちには、良い教育を受けたいと思う重要なインセンティブがすでにあるはずなのだ。高校卒業した大人は、そうでない大人よりはるかに良い人生を送れる。平均的に見て収入が多いだけでなく、家庭も安定し、より健康で逮捕されたり刑務所に入ったりする確率は少ない。大学を卒業した大人とそうでない大人にも同じことが言える。若者たちは、これを知っている。それなのに、進路の分かれ目に影響与える重要な決断をするべき時が来ると、逆境に育った若者は大抵目に余るほど自身の利益に反する選択をして、頃より遠く、到達の難しいものにしてしまう。"
それはつまり、発達段階で適切な環境に置かれなかったことで
″幼い時期に慢性的なストレスを受けた子供は、失望や怒りへの反応を抑えることに困難を覚えるようになる。小さな挫折が圧倒的な敗北のように感じられ、ほんの少し軽く扱われたように感じただけでも深刻な対立関係に陥る。学校生活では、常に脅威を警戒し続ける極度に敏感なストレス反応システムは、自滅的な行動パターンを引き起こす"
と書かれています。
それは、本当に悲しい、悲しいなあと。
子供は親を選ぶことができず、ただただ一生懸命に生きてきた結果、社会で生きていくことが難しくなり
それが悪循環を生むなんて。
ただ成長過程で適切な指導を受けることができれば、少しずつでも非認知スキルを身に着けることができそうで家庭内外の様々な取り組みやアプローチが紹介されています。
この本の中で個人的に一番「うーーん」と思ったのが、人はインセンティブ(ご褒美)ではモチベーションを
あげることができず、むしろマイナスに働いてしまうこともあるという研究結果でした。
「子供たちは生まれつき創造都市と好奇心を持っており学習と発達を促進する行動をとるよう、内発的動機付けがなされている。」このことは指導する立場として絶対に忘れてはいけないことだと思います。
また、そこから一歩進んで「何か別の結果のために行動しなければならなくなった瞬間に、(外発的動機付け)が重要になる。」といわれています。
先生のポジティブな一言でモチベーションが上がるという実験が提示されていましたが、
一般の家庭に育った子供では少しくらいの上昇だったのが、貧困層、問題行動がある子供たちほどその一言でグッとモチベーションが上がっているという結果が出ています。
なんだか、この結果に泣けてしまいました。
問題行動を起こしてしまったり、投げやりや無気力だったり、反抗的だったり、そんなティーンエイジャー
はその子自身の問題ではなく、ここまでの環境がそうさせていて、小さな手助けで何かが劇的に
変わることがあるのだと。そんな子供たちはその手助けを心の奥底では待ち望んでいるのだと思います。
自分にできることが何かあるだろうか・・・と、とても考えさせられた本でした。
子供や教育に関わる人にはぜひ読んでほしい1冊です。
