東日本大震災から
今日でまる10年ですね
10年前の今日
わたしは東京駅の近くのビルの
８階にいました
強い揺れを感じても
いつもならそのまま仕事をしながら
やり過ごすけれど
揺れはどうにも収まらないどころか
ますます大きくなり
100kgを越すであろう複合機が
ガタガタと動き出すほど
このままビルごと倒れるのではないか
という恐怖が襲ってきて
あわてて机の下に潜り込んだ
未曾有の自然災害に
首都圏は途端にマヒ
鉄道も当然ストップしたため
通勤に片道２時間かかっていたわたしは
歩いて帰ることもできず
その日はオフィスに宿泊
翌日も
わたしが使ってた路線は
運転見合わせが続き
帰るに帰れないところに
ビルの管理会社から
倒壊の恐れがあるとの理由で
ビルを午後３時に閉鎖すると連絡が入った
その時点で
帰宅の目処が立ってないのは
わたし一人
「高橋さん帰れないなら
今日の夜泊まるホテルをどこか予約して」
そう人事部長にうながされ
近くのビジネスホテルを予約
他の人は順次
オフィスから姿を消した
だれもいないオフィスに
ポツンと一人残ったわたしは
行くあてもなく
余震の続くビルで
午後３時を待つ間
気づいたことがあった
いざという時は
会社もわたしを守れないんだ
頭を殴られたような
感じがした
会社員は保障があるから
一生安泰
その洗脳とも言える
強い思い込みがあったからこそ
それまで安心の中で
生活してこれたことにも気づいた
「どうせ会社は従業員のことを
守ってくれないんだよ」
というネガティヴな話が
したいのではなくて
他人任せではなく
自分ですべて決めていくことが
すごく大切なんだ
というこれは
とっても前向きな話
会社だって従業員のことを
守れるものなら守りたいでしょう
国が国民を守りたいのも同じ
でも昨今のように
震災だったりウィルスだったり
今までに例のないような
大きな災難が襲ってきたときに
最後に自分を守れるのって
自分以外にないのです
戦後の高度成長期は
会社に就職してしまえば一生安泰
という時代が確かにあった
けれど
それから何十年と経って
経済状況も自然環境も
社会も情報インフラも
まったく変わってしまった今
あのころのように
"一生安泰"とすがりつけるものは
すっかりなくなった
当てにしてたのに
思った通りにならなくて
社会が悪い
会社が悪い
と文句を言ったところで
わたしたちの人生の責任は
だれにもとれない
だからこそ
自分で決めていいんだ
自分で選んでいいんだ
ってわたしは震災のときに
強く思ったのです
親の言っていることが正解
世間一般の常識こそが正解
その＂正解＂の枠から出られずに
打ちひしがれたように
それまで生きていたけれど
だれにもわたしの人生の責任は
とれない
たとえそれが親であっても
その気づきから
わたしは自分の中にもともとあった
生きる力強さを取り戻し
今のこの人生にまで
至ったように思うのです
「会社勤めの人は依存してる」とか
「自分で生きる力がない」とか
はたまた
「だれの世話にもならずに生きていく」とか
そういう話では決してなくて（笑）
会社勤めをして
その恩恵を受けながら生活したって
全然いいのです
もし会社勤めを選ぶなら
＂わたしが＂この生き方を選んだ
って力強く宣言したらいい
かつてのわたしのように
「会社がなんとかしてくれる」
「選べる選択肢が
わたしには会社員しかないから」
という意識でいると
本来持っているはずの
生きる力強さを失っていくから
周りの人や環境に
翻弄される人生になっていく
という話です
最後に
東日本大震災で被災した方々の
さらなる復興を心から願っています
高橋えりこ
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