生産性のないもの
効率の悪いものを
排除する選択をずっとしてきた
ウェディングドレスを着る
っていうことを想像したとき
＂めんどくさい＂であきらめてたのは
そんな選択グセが
あったからかもしれない
なにかカタチになるわけでもない
生活の役に立つわけでもない
それなのに
わざわざエネルギーとお金と
時間を費やす
将来のために
なるわけでもなければ
生命を維持するための
役に立つわけでもない
地位や名声が
手に入るわけでもない
そんな生産性のない
効率の悪いものに
労力とお金と時間をかけて
なんになるの？
少し前のわたしは
当たり前のようにそう思ってた
でもね
やってみたからこそ
わかったことがある
そこには
すばらしい体感があった
ウェディングフォトを
撮り終えたあとから
言い知れぬ深く温かいものが
自分の内側に
ずしっとあることに気づいた
満足感
充足感
そう言われれば
そんな感じもするけれど
もっともっと重みのある
なにかとても大切なもの
なかなか言語化できなくて
これはなんなんだろう
って思ってたんだけど
意義も意味も目的なんてものも
あえて考えず
ただただ
自分の＂やりたい＂っていう気持ちに
したがってやってみる
このずしっとした
温かいものは
そんな
自分のために労力を惜しまず
全力でその望みに向き合う
その＂尊さ＂だった
物質至上主義
結果至上主義
多くのものを持てるから＂幸せ＂
何かを成し遂げたら＂成功＂
これらは一般に広く
行き渡っている価値観だけど
それで
＂幸福感＂も同時に手にしてる人は
どれだけいるのだろう
収入が増えても
安心感が増すどころか
枯渇感がさらに強くなり
欲しいものをいくら手にしても
今度はそれを失う恐れから
止まることができなくなる
物質も結果もそれだけでは
人を幸せにはしてくれない
にも関わらず
わたしも長いこと
そればかりを追い求めて
カタチにならないものを
ずっと切り捨てる人生だった
ウェディングフォトを撮っても
もちろん収入は上がらないし
地位や名声が手に入るわけでもない
なんなら
撮影のために準備した
バルーンだってブーケだって
きれいでかわいいのは一時的で
時間が立てばしぼんで
しまいには朽ち果てる
その＂儚さ＂ゆえに
＂必要のないもの＂
＂それほど価値のないもの＂
ってずっと決めつけてきたけれど
儚いからこそ
そこには尊さがある
っていうことを
今回体感を持って
やっと知ることができた
ウェディングフォトを
撮り終わったあと
わたしの中に生まれた
重厚な温かいものは
＂自分の望み＂という
儚いものへの尊さと愛おしさ
でもあったけれど
つまりそれは
自分自身を尊ぶ気持ち
と
愛しむ気持ち
だったんだ
撮影に使ったブーケが
マジでクソかわいすぎて
朽ちてしまうのが惜しくて
ドライにしようか迷ったんだけど
今回はその儚さを
楽しむことにした
✨
高橋えりこ
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