社会人の三種の神器は、英語、会計、ITといわれています。どれも大切ですね。ITは、まっさきにワードやエクセル、パワーポイントが思い浮かびます。これは仕事をしているかぎり、結構重要な代物になりますが、知らなければパン屋さんができないわけではありません。英語も外国人のお客さんが来店したときに身振り手振りの冷や汗をかくぐらいで、生き死にの問題ではないですよね。
しかし、実は会計を知らないとヤバいことがたくさん起こります。そもそもサラリーマンで会計の知識がなければ監督者や管理者になれません。会計をしらない営業の方がいたとして、最初はバリバリ売りまくっていればいいですが、そのうち役職がついてくると会社の経営に係る考え方が求められるので、会計の知識がなければ結構、上から期待されず、下からは見透かされます。もちろん、サラリーマンの場合には、ITは意外と必須ですが。
さらにパン屋さんを経営するにしても、ラーメン屋さんを繰り回すにしても、会計の考え方が分からないと、あるときから経営は行き詰ります。これは会計事務所でも、監査法人でも、もちろん、銀行員としての経験からも絶対にそう考えています。会計は、15世紀にイタリアのルカパチオリがズンマという本のなかで複式簿記を紹介したことが始まりだといわれています。
東インド会社ができるころには、会計制度や監査制度が成立していたので、随分と古くからの歴史があります。昔は一航海一会計でしたから、出航した船が帰ってこなければ会計は終わらなかったことからすると、株主ができたことから大きく変わったものだと思います。さて、財務3表の読み方がそこここで重視されています。貸借対照表とそ損益計算書、キャッシュフロー計算書です。すくなくとも会計学はしらなくてもいいので、事業が資産や負債、資本から成立する貸借対照表や、収益と費用から構成される損益計算書により、管理されることは知っておく必要があります。
ただやみくもに、おいしいパンやうまいラーメンをつくっていれば事業が成り立つわけではないからです。ベンチャー企業を立ち上げる人も、八百屋さんでもコーヒー店でも個人事業を始める人も、すべての人が一年間の期末日現在の財政状態を表す貸借対照表と、一年間の経営成績を表示する損益計算書、そして現金の動きを表現するキャッシュフロー計算書をみながら事業経営をしていかなければならないことを知らなければなりません。
よくわからないから税理士さんに丸投げといったことがないように、一緒に勉強していきましょう。なお、このブログは実は会計のブログではありません。事業でうまくいくためには経営者を始め、人がとても大切であることを私は知っています。会計の前に、その人らしい強みや、人間性、そしてコミュニケーション能力がなければ事業はうまくいかないからです。
もちろん、何のためにパン屋さんをするのか、ラーメン屋をするのかについて、ベンチャー企業を起こしたのかの思いをしっかりと確認し、信念をもって突き進むことが最も重要であることはいうまでもありません。そのうえでの会計です。ということで、今日から毎日、少しずつその話をしていくことにします。