ありがたいことに結構見られてました。非常に感謝。



まあそういうわけで今回は集合論の基礎の基礎である集合と写像について話していこうと思います。まあ今回は実質高校範囲なので軽めの内容です。

⑴集合

集合の定義を厳密に書こうと思ったのですが私も理解できなかったので若干大雑把な定義になってしまいます。(申し訳ないです。)

集合とは、いくつかの「もの」の集まりです。この「もの」というのは割となんでも良いです。例えば、実数0やアルファベット、Twitterのユーザーなど(※)

ただし集合を構成するその「もの」かどうかは明確である必要があります。例えば「めっちゃでかい数」の集まりとかは集合じゃないです。(実際、正の実数10000000000とかは一般的な感覚ではめっちゃでかい数字かもしれませんが天文学者からするとちっさく思えるかもしれません。)

集合を構成する「もの」のことを元(げん)と言います。高校では要素といったと思います。まあ要素と呼んでもよろしいのですが大学で要素という単語を見たことがないのでそれに習って元と呼ぶことにします。

ある「もの」xが集合Xの元であるという事実をxXと表すことにします。yが集合Xの元でないときyXと表すことにします。


2つの集合A,Bが与えられたときその関係性について考えることにします。

Aの元であって、Bの元でもあるような「もの」の集まりをABと表します。

Aの元もしくはBの元(両方の集合の元であってもよい。)であるような「もの」の集合をABと表すことにします。

Aの元であってBの元でないような「もの」の集合をA-Bと表すことにします。

Aの任意の元(Aの元すべて)がBの元であるときABと表します。


集合はその元の個数(「濃度」と呼ばれる概念とほとんど同じです。)によって下の2種類に場合分けをすることができます。

①元の個数が有限である

このような集合は有限集合と呼ばれます。とくに、1つも元を含まないような集合を空集合と言います。記号としては∅で表します。

有限集合の例…{0},{2,3,5,7,11,13},{国語,数学,理科,社会,英語}

②元の個数が無限である

このような集合は無限集合と呼ばれます。

無限集合の例整数全体からなる集合


最後になりますが、2つの集合A,Bが等しいということはAのすべての元とBのすべての元が等しいということを意味します。

集合論や代数学の命題でA=Bを示せ。というものを証明する場合、ABBAとの両方を示すことがほとんどです。

まあ集合に関してこれぐらいでよろしいでしょう。

(※)一応なんでも良いというわけではないです。例えば自分自身を元として持たない集合を集めた集合については矛盾が起きます。(ラッセルのパラドックスを参照)こういうことを回避するために公理的集合論とかばちこり難しそうなことを他の先人たちはやっているわけですがまあ今回はちょっとそこらへんはスルーしていきたいと思います。


⑵写像

2つの集合ABとがあります。

ある規則XによってAの各元aに対してそれぞれ1つずつBの部分集合X(a)が定められているときXAからBへの対応といいます。

任意の元aについてX(a)1つだけ元をもつときXAからBへの写像といいます。X(a)={b}(bB)のとき、X(a)=bと書くことが多いです。

また図の下のようにも書きます。

写像はf,gなどと書く場合が多いです。写像のうち特別なものが存在するのでそれを紹介します。以下、fAからBへの写像とします。

①単射(たんしゃ)

Aの元a,bが異なればf(a),f(b)も必ず異なる、という条件を満たすときfは単射である。といいます。

対偶をとるとf(a)=f(b)ならばa=bである、ということです。証明の場ではこちらを用いることもあります。

②全射(ぜんしゃ)

任意Bの元bに対してf(a)=bとなるaが存在する場合、fは全射である。といいます。

③全単射(ぜんたんしゃ)

fが単射かつ全射であるならばfは全単射である、といいます。

イメージ的には下の感じです。

 2つの写像が与えられたときその関係性について考えます。

④合成写像

gBからCへの写像,hAからCへの写像とします。任意の元aに対してh(a)=g(f(a))が成立するとき,h=gfと書き、fgとの合成などともいいます。

⑤恒等写像

gAからAへの写像とします。任意の元aに対してg(a)=aが成立するとき,g=idAなどと書き、A上の恒等写像ともいいます。

⑥逆写像

gBからAへの写像とします。fg=idB, gf=idAが成立するときfgとは互いに逆写像であるといいます。


まあめっちゃ用語増えて大変やんけ!ってなってると思いますがやはり理解してるか確認するのは重要なので練習問題を下においておきます。



では、源義経に感謝。


参考文献
・『集合・位相入門』、松坂和夫