少し落ち着いてから、看護師さんに


「さっき…はじめに看護師さんが診てくれた時に、分かってました…」


と伝えると、


えっ??


と、みんな驚いた表情。




【看護師さん、私も毎日見てたから分かりますよ…】


なんて思いながら、顔を覆った。






涙が落ち着いた頃に部屋に戻った。




ベットに横になって携帯を見る。




入院当日に駆けつけてくれた姉と母にメールを入れる。


【赤ちゃんダメだった…】


と…。





そしてパパから電話。



先生から話を聞いて、東京の現場からなるべく早く帰ると言ってくれた。



そして今後の処置について、私の母と一緒に先生から説明を聞いてほしい…と。



一人で大丈夫と言ったけど、いや、二人で聞いてくれ…と。






ベットで横になってる間は、何も考えられなかった。






どれくらい時間が経ったんだろう…




母が子供達と一緒に病院に来てくれた。




双子の心臓が止まってしまったので、もう私はどこまで歩いていっても問題がなくなっていた。




なので面会ルームまで歩いていって、子供達と再会した。




双子を楽しみにしていた子供達。




駆け寄ってきた息子が私のお腹を見て


「ママー!お腹おっきくなってなーい!」




………………………………。




さすが息子…よく見てる。





私「そうだね~…」

息子「なんで~?」




………………………………。





しばらくはぐらかしていたけど、やっぱり気になるみたいで、もう一度聞いてきた。




なので、子供達に


「赤ちゃんね、お腹の中で死んじゃったの。」




そう話したときの長女と息子の顔が、今でも忘れられません…。





子供達に


「赤ちゃんにまた帰ってきてね~ってお話ししてあげて?」



と言うと、子供達が


「赤ちゃーん!また帰ってきてねー!双子で帰ってきてねー!」


とお腹に向かって呼び掛けてくれました。





そんな姿を見ていたら、またすぐ帰ってきてくれるような気がして、少し落ち着くことが出来ました。






その後別室で母と一緒に先生の話を聞きました。




お腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまったので、早く出してあげないと母体が危なくなる。


早速その処置を明日の朝からしたい。



との事。





パパからの話では、先生は今日からすぐにでも処置に入った方が…との話だったらしいが、パパがせめて明日にしてほしいとお願いしてくれたらしい。



そしてその話は僕が妻に話します…と、先生に言ってくれたようだ。



パパも辛いだろうに、本当に頭が下がった…。






処置の内容は…

ラミナリアと言う、海草で出来た細い棒を何本か子宮口に入れ、水分を含むと太くなるので、それを何度か入れ換えながら本数を増やし、子宮口を徐々に広げていく…



そしてある程度開いたところで、膣に錠剤タイプの陣痛促進剤を入れ、出産する…



と言うものだった。





ラミナリア…



ベットの上で色々検索しているときに、死産した方々のブログでよく見ていた名前だった。





ほとんどのブログで



「気絶するくらい痛かった」

「激痛で暴れた」



と感想が書かれていたので、とにかくそれが怖くて仕方なかった。





先生の話の途中で、母が色々聞いてくれた。




私は何か質問する…なんて頭は働いていなかったので、パパの言うとおり母に一緒に聞いてもらって良かった。





母「赤ちゃんは連れて帰れるんですか?

先生「はい。手続きをしたら、ご自宅へ連れて帰っていただいて大丈夫です。」

母「性別は分かりますか?」

先生「生まれてみないと分かりませんが、まだ小さいので、もしかしたら分からないかもしれません。」

母「赤ちゃんはどれくらいの大きさなんですか?」

先生「16週位からあまり成長していないので、片手に収まるくらいのサイズかと思います。」




【そんなに小さいんだ…】



また悲しくなった…。





そして出産後染色体の検査をするかどうか聞かれた。



※検査をしても亡くなった原因が分かるとは限らない。

※上の3人は問題なく生まれてきてるので、染色体異常の確率も低いと思う。



と先生に言われました。




そして検査はしないと伝えた。


だって検査をして原因が分かったところで、双子は戻ってこないと思ったから…。





子供達が騒ぎ出したので、話を終わらせて母に帰ってもらった。





病室に戻ると、入り口にエコーを診てくれた看護師さんが二人立っていた。



その一人はその日の担当看護師さんだったので、

「あの処置痛いんですよね。もう痛いのヤダ…もう頑張れない…使える薬はなんでも使っていいから、痛くしないでください!」


と、子供みたいにお願いしました。





話が終わったところで、もう一人の看護師さんが

「さっきのエコー、はじめから分かってたの?」

と…。



私は作り笑いをしながら必死に涙をこらえ

「うん…」

と頷いて、涙がこぼれる前に部屋に入りました。





苦しい…

悲しい…

寂しい…

辛い…




どれにも当てはまらないような、今までに体験したことのない、言葉では表せない様な感情が湧いてきた…