何だか、最近、勘違いの人たちが増えている気がする。


大震災からの復興、東北地方の復興、が至上命題のように言われているが、被災者たちの「元の生活に戻りたい」というのはありえない。大地震・津波も自然の営みであって、結果として、地盤が沈下したり、海岸線が変化したものを人間の手で”元に戻せる”わけではない。


仮に、無理やり元に戻そうとすれば、巨額の費用が掛かる。地震国ニッポンにおいて、毎度毎度、地震の度に元に戻そうとすれば幾らカネがあっても足りなくなる。



どうやら、ようやく現在避難場所や親戚の家などを含めた詳細な避難民の数が出たようだが、12万人ほどとされている。一人当たり、100万円と計算しても、必要資金は1200億円だ。自宅に留まっているが・・・など、実質的な被災者数は何人だか見当もつかないが、ざっくり4倍程度として50万人とすれば、巷で言われている10兆円は一人当たり2千万円にもなる。どう考えたって、一人当たりそんなにカネ使っていい筈がない。



限りある国家財政において、復興資金として上限いくらまでなら使えるか?という議論が先になければならない。「いくら掛かるか?」を先に議論して、その原資をどう調達するか?平ていに言えば、増税どうするか?という議論をしているが、そもそも、そこまでカネ掛けるべきか?の議論が欠けている。



もっとも、現在、国政においては五月雨式に補正予算が出てくるので、「いくら掛かるか?」の議論も欠落していると言えなくもないが。