元々は、「安物買いのゼニ失い」という言葉だが、まさに、ゼニどころか、命を失うこととなった。


言うまでもなく、「ユッケ」問題である。


当たり前の話だが、一番悪いのは、卸業者と店舗を運営していた会社である。いまだに、どっちにトリミングの責任があったか?などと、責任のなすり合いをしている姿が笑うに笑えない。結局、両者ともに、被害者はどこかに行っている。おまけに、焼肉屋の社長は土下座したり、テレビ向けパフォーマンスだけはキッチリやるので、始末に負えない。会社の延命を必死に図っているのであろうが、この会社は倒産させるべきである。


しかし、もう一つ議論されていないことがある。


買って食べた消費者も悪い、ということだ。彼らは単なる被害者ではない(もちろん、当事者能力に乏しい子どもや高齢者を除く。彼らは連れて行かれただけだ)。


どうみても、安すぎる。この価格で「安心」が含まれている、と考えるのは相当無理がある。


日本には昔から、「安かろう、悪かろう」という言葉があった。安いモノを見たら、疑ってかかれ、ということである。地震が来たら、津波を想定してとにかく高台に逃げよ、という古くからの言い伝えと同じことだ。



デフレとなって、早20年となるが、この間、日本人の感覚は相当マヒしたのかもしれない。



これも繰り返し言っているが、初歩的なダマシにあっているのは、騙されるのも相当悪い。安すぎる焼肉屋で生食するのも同様だ。