ここで、少し経済の話を離れて(といっても、完全に、ではないのですが)、教育分野の話題を。




中学受験にも不況風 “滑り止め”減少
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110131-00000070-san-soci



”首都圏の私立や国立大付属中学校の平成23年度入試が2月1日から本格的に始まる。大手進学塾の予測では、受験者数自体は約5万4千人と過去最高水準となるが、1人当たりの平均受験校数は4年連続低下の見込みで、5校を少し上回る程度。長引く不況などで“滑り止め”の受験を減らす傾向が強まっている。

 首都圏で入試を行う中学は、約300校。数が多く、人気校も集中する東京都、神奈川県では、ほとんどが2月1~3日に行われる。大手進学塾「四谷大塚」は両都県と千葉、埼玉両県の小学6年の17・6%にあたる約5万4千人が中学受験に挑むと予測。「日能研」でも受験率は20%前後の高水準と予測している。

 ただ、1人当たりの平均受験校数は減少。四谷大塚の予想では5・37校と、ピーク時の19年度の6・08校より大きく減る見通しだ。

 専門情報サイト「中学受験スタディ」を運営するバレクセルの野倉学代表は「受験をする家庭は経済基盤が堅く、不況を理由に受験自体をやめる可能性は少ない。ただ、志望校に行けない場合に、レベルを落としてまで私立に行かせる保護者は減っている」と話す。

 最難関の一つ、開成中学(東京都)では、定員300人に対して前年比5%増の1176人の受験が予想されるなど、実力校や人気大学の付属校などは例年並みの志願者を集める。一方で、模擬試験で偏差値45を切るような中学の場合、大学の付属校でも定員割れする可能性が出ている。定員割れは150校に達するという関係者もいる。

 四谷大塚中学情報部の岩崎隆義部長は「保護者や受験生は、より厳しい志望校選びをするようになっている」と分析。2年連続で定員割れした私立中の担当者は「いかに選ばれる学校になるかが大きな課題」と打ち明ける。”




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私立学校にとって、「受験料」というのは一つの大きな収入源ですから、例え中学受験をする小学生が少々増えようが、「選択されない学校」になってしまえば、非常に厳しいでしょう。




記事では、不況のせい、としていますが、私はそもそも、少子化の中で【偏差値45を切る中学】の受験の必要はないと考えていますし、関係している親御さんにもそう申し上げています。




おそらく、個人的な予想ですが、こうした学校の今後の流れとしては次の2つが考えられるでしょう:




<1> 小中高、一貫



ただし、小学校6学年すべてをカバーする、というものではないと思います。




小学校3年生からの3年間、場合によっては4年生からの2年間、だけを組み入れて、準・小中高一貫、ということです。



幼小の連携問題などもあり、小学校低学年については幼児教育の延長と捉えて積極的には取り組まない。しかし、中学年・高学年については(感覚としては当然、ひらがな・カタカナやある程度の漢字は書け、掛け算九九は終わっている)本格的な勉強に入れる~として中学の予備期間として組み入れてしまう、というものです。




これによって見込めるマーケットとして:



○ 小学校受験をしたが、運悪く落ちてしまい、公立小に行ったが、やはりレベルが不満。


○ 小学校受験しなかったが、行かせてみたら、突如花開き(けっこう、あります)、急にレベルが物足りなくなった。


○ 小学校受験し、合格して行ってみたが、校風が合わなかったり、意外に物足りなかったりした。




こうした子ども達を中学受験まで待って、他校との選択競争に入るよりは、その前に(いわば、青田買いですね)取り込んでしまおう、というもの。設備・教員配置的にも6学年丸々ではコストが見合わないが・・・という場合がありえます。




<2> 中高・予備校一貫



高校3年から、大学志望校に合格するまで、高校の中で面倒見ましょう、という予備校機能を取り込んだもの。




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こうした戦略が顕在化してきたときに、文科省対応が問題となりますが、基本的には否定されるものではありません。




ここで、ぜひ留意して頂きたいのが、少子化対策をやるにせよ、絶対数として子どもの数は当面減って行かざるを得ませんから、私立の生き残り競争はどんどん激化する、ということ。




一部に、待機児童問題は規制緩和によって、民間業者活力だけで対応できる、と主張する人たちがいますが(これまた、「みんなの党」です。本当に、この党は机上の空論が多いプンプン)、この環境問題を理解していれば、民間だけで対応できる訳ないじゃん、というのは自明の理です。