明治維新以後、日本の医学は中国から伝来した漢方医学を廃して、西洋医学に大きく傾倒していきました。医療の現場から、また、日本人の日常生活から、徐々に東洋医学の叡智が忘れ去られていきました。
昨年、東日本を襲った「大地震」「大津波」という大自然の力によって、現代科学の粋を結集した『原発』が脆くも崩れ、あの様に見るも無残な姿になってしまいました。そして、その科学の粋であり結晶であるはずの『原発』が、今私たちに自然災害とは比べ物にならないほどの恐怖と災いをもたらそうとしています。
今、皆さんも同じと思いますが、原発事故以来、電気をできるだけ使わない、つまり「省エネ」の必要性を実感し実行しています。これは医学の世界でいうと、正に“病気を予防する”ことそのものです。
東洋医学・漢方医学・中医学、いわゆる伝統的な医学が言い伝えてきたことは正に“病気の予防”の必要性で、病気にならないようにすることが一番大切なことだと教えてくれています。そして同じように、エネルギーの無駄使いを予防し『原発』に頼らない生活スタイルを選択することが“災い”を避ける最も賢い方法と言えるのではないでしょうか?
その意味からも、今、医療に最も求められるのが「予防医療」であり、また、日常生活に根付くべき古来からの伝統医学の教えであり養生の知識と思います。


