「猫が降って来たんです…。」
こぼれたお茶で濡れた床を拭きながら、某然とした顔で夫は言った。
時を遡る事10分。
そろそろ寝ようと思った私は、
今週もがんばったな〜、明日休みで嬉しいな〜と鼻歌でも歌い出しそうな気分で歯を磨いていた。
『ガシャーン!』
突然何かが倒れる様な音。
「え?!ちょっと!見てこれ!」夫の慌てた声がする。
音がした方を見ると、テーブルでお茶を飲んでいたはずの夫は立ち上がり、床が水びたしになっている。
お茶こぼしちゃったのかな?なんで?と思っていると
「メイが落ちた」と言う。
一瞬夫が何を言ってるのか分からずフリーズする。
頭上にあるロフトの手すり、テーブル、濡れた床に目線を向ける。
「ええええええ〜?!」
夫同様に慌てだす私。
どうやら、メイがロフトの手すりから落ちたらしい。ロフトの手すりは床から3mほど。落ちた先はダイニングテーブルで、そして夫が飲んでいたお茶にジャンプイン!
ようやく状況を理解し、「メイは?!」と言いながら辺りを見廻した。
すると階段を駆け下りるメイのお尻が目に入る。それを追いかけるローズとマーティも。
私も慌てて追いかける。
怪我は?!火傷は?!とパニック寸前になりながら、落ち着け、落ち着くんだ、と自分に言い聞かせ、「メイちゃーん。メイメイ〜」といつのも猫なで声でゆっくりメイに近づく。
メイは足やお尻を念入りに舐めている。
多分お茶でも濡れたのかもしれない。
ローズやマーティは、私やメイがアタフタしてるのにつられて、ソワソワとメイの匂いを嗅ぎに行ったり、私にまとわりついたり。
なるべくメイの邪魔をしない様に、静かに見守る。
どうやら足を引きずる様子もなく、普通に歩いたりできるようだ。痛がっている様子もない。火傷もなさそうだ。
そして冒頭にもどる…。
「猫が降って来たんです。」
夫は何度かそう呟いた。
ロフトの梯子を完全にはずし、明日ロフトの手すりに柵を作ろうね。と二人で決意し、やっと眠りについたのだった。
ロフト柵作り大作戦へ続く…
【挿絵画像】
みんな大好きロフトと梯子





