最近私はいい歳してアリスとか…可愛い服を着ているから、

近所の子供たちに不思議な服を着ている奇妙なおばさんと思われているかもしれないな…と通勤電車でぼーっと考えていました。


その「奇妙なおばさん」で思い出したとあるエピソード。


小学校1~2年生の頃、家の近所の絵の教室に通うことになったのです。


初日。教室を紹介してくれた友達と一緒に、教室に向かうとビックリ。


当時、子供たちの間で「お化け屋敷」と呼ばれている洋館が小学校の近くにあったのだけど、私が通うことになった絵の教室はなんとその洋館だったのです。




玄関と庭には鬱蒼と木が茂り、木々の間から垣間見える建物は古めかしく異質な佇まいを見せていました。


何が異質かというと、田舎町に洋館なんてほとんどなかったから、そのお家はとても珍しい存在だったのです。


私は引き気味に教室に入ると、優しそうなお婆さんが出迎えてくれました。



お化け屋敷なんてとんでもない! そのお屋敷にはとても絵の才能に秀でた普通のお婆さんが住んでいたのです。


ご主人はかなり昔に亡くなっていて、お婆さん=先生は、ご主人の想い出と共に一人暮らしをされていたのでした。


先生は物事をハキハキ言う方だったので厳しくも優しく、楽しく絵の描き方を教えてもらいました。

洋館の中は、今思うとクラシックで素敵な室内でした。

でも、家の周りが木々で囲われているせいかちょっと薄暗くて、家の奥の方には何か怖いものが隠されているのかも…とか密かに思っていたことを思い出します。

私は玄関を入ってすぐ左側にある、出窓がある洋室のお部屋で絵を教えてもらってました。



あと、先生は不思議な体験談をたくさん持っていて「私が子供の頃、玄関に一つ目小僧が出たのよ」なんて話を先生から聞くと、「やっぱり!」なんて思ってみたり^^;



ほかにも休憩時、先生から聞いた不思議な話はとても印象的で今も覚えていたりします。
怖い話好きな今の私の趣向は、この頃の体験が影響しているのかもしれない。



数年後、先生のお屋敷は何があったのか強制撤去され、先生はプレハブ住まいを強いられ、とても可哀想なことになってしまいます。



一度、プレハブの先生を訪ねて行ったことがあるのだけど、そのような住環境になってしまった状況をとても嘆かれていて、子供ながらにどう励ましてあげたら良いのだろうと動揺してしまったことを思い出します。


あのお屋敷を無くした先生はその後、どうされたのだろう。




周囲の人にお家を「お化け屋敷」と揶揄されようが意に反さずで、ご主人や家族との思い出の詰まった洋館を一人で守り続けていた先生。



私が一番最初に出逢ったとても強く個性的な女性として、今も記憶に残っています。