まもなく任期満了となるメキシコの現政権の最大のインフラ整備公約の一つだったマヤ鉄道。

 

現大統領が南部タバスコ州出身ということもあり、南部の発展に頑張っていて、彼の地元は勿論、そこからユカタン半島やリゾート地カンクンがあるキンタナロー州もぐるっと回るので遺跡巡りにはとても便利になりそうなルート。

 

日本でも上越新幹線など、影響力ある政治家がいる地域は新幹線が整備される我田引鉄という言葉があるけど、それのメキシコ版。総距離1500Kmらしいのでかなり長い。

 

思いっきりジャングルを切り開いて敷設しており、物凄い論争があったものの強行突破。中国の新幹線も住民立ち退きの強制力がすごくて、有無を言わさず住民をどかせたので直線での線路敷設が容易だったらしいけど、メキシコも剛腕力で突破。

日本の総合商社も線路用の鉄の供給をするなど、経済的恩恵もそこそこ外資系にもきているらしい。

 

 

日本でもリニアで静岡県の前知事にハラスメントを受けて相当開業遅延になりそうな感じも、こちらは大統領命令で他の何よりも優先して工事していたので、相当予算オーバーしたはず。

 

高速道路に沿って敷設されていたけど、結局2時間高速道路を走っている間に一度も出くわすことなく残念。

 

 

 

 

 

 

 

 

途中ジャングルの中のmiddle of no whereに駅がいくつかあったけど、あそこで降りてどうするのかとても興味深い。駅前広場もなく高速沿いにあるだけで、チチェンイツァ遺跡の最寄り駅も、遺跡からは結構離れていた。どうすんだろ。

 

まあ、メキシコは鉄道が殆ど整備されておらず、あるのは観光列車でハリスコ州のテキーラ列車や、チワワ州のあまり発展していないので、電車乗るのが好きな者としてはややうれしい。

 

そもそもメキシコには相当離れた巨大都市が複数ある上、飛行機は遅延が常態化していて当てにならないので、高速鉄道もフィットすると思うんだけど。かつて前政権時代にメキシコシティーケレタロー間の新幹線事業を中国企業が出来レースで受注していたけど、流石に国際的な目が入ったのか白紙撤回していたけど、もっと長距離でやればよいと思う。高地が多くて難しいのだろうか。

 

ただ、時間がいい加減なメキシコでは、JRのような正確な運営は無理かもしれないけど。JRの方々は会社の会議も定時らしいのでとてもメキシコ人には無理かな。メキシコでは7時のニュースも7時ちょうどには始まらないらしいし。

 

私も仕事でユカタン半島にはよく行き、高速道路で空港から現場まで移動していたけど、長期間鉄道工事していて徐行させられて移動が大変だったけど、漸くスピード上げて運転できるようになって助かる。

 

また同地域で建設を伴うプロジェクトをしていたけど、政府が早期完工に向けてこれまでの相場と比較して破格の給料を提示して土木労働者をかき集めたせいで、民間プロジェクトの建設用の労働者が集まらずに工事遅延してしまった。

 

この地域では、どこを掘っても遺跡が出てくる確立が高く、建設関連の仕事は昔からしょっちゅう中断させられて大変だったけど、今回マヤ鉄道建設で遺跡発見に伴う工事中断のニュース全く聞いていないが、不思議。発見しても見なかったことにして埋め戻した可能性が高いと思う。