食材も秋らしく | 板前日記

板前日記

1999年 web日記とよばれた時代から書き続けている店主の日々の記録です。
板前の日常を垣間見ることで、パンフレットでは書ききれない店の姿勢までうかがえるかもしれません。

10月にはいりやっと食材も秋らしくなってきました。

 

9月の端境期をぬけてホッとしています。

 

9月末から10月頭に一瞬入荷するぼら子

 

 

ボラの卵巣です。

これを塩漬けにして干したものが唐墨です。

 

25年前(いや30年前だったか)、まだ唐墨を自家製で作る職人さんが少なかったころ、新橋「京味」さんで明らかに市販品とは違う唐墨が出てきました。ご主人西さんが「こういうもんは自分で作るもんです」とおっしゃり胸を張りました。神に言われて、翌年即実行に移しまし、それ以降ずっと作り続けています。

 

その時代、まだ自家製で唐墨を作る方は少なかったので1kg 8000-9000円くらい

 

15年前には15000円くらいに値上がりし、10年前には18000円、今年はとうとう20000円を軽く越えて24000円に

 

写真の分量で20万円です。

 

はぁぁぁぁ。。。。

 

でも、「今年は唐墨まだ?」というお客様のために20kgを塩漬けにしました。

 

 

 

この写真をみて「あっ!ミズダマだ!」と心躍らせる方は多分東北地方出身者か?

 

山菜の女王 ミズのムカゴです。

 

そう、ムカゴって秋も深まったころ現れるあのウサギのウ○チみたいなやつだけではありません。

 

天竜川の上流佐久間町の友人 藤本さんが採ってきてくれました。

 

山形出身の藤本さんは 故郷からミズを移植して自身の山で育てています。

 

ですから、ミズは東北のもの、地産地消じゃぁないじゃん。。。ともいえない、微妙な地産地消です。

 

地産地消というお題目よりも、友人が自ら採ってくれる食材って言うのが一番大事なのです。

 

築地でこの分量を買ったらきっと冷や汗。