2-8. 気持ちは離別、形は死別

テーマ:
周囲のすべてに家庭の事情を話しているわけではないので、死別した私をいたわるように見てくださる方もいます。

事情を話していた方からは
「遺族年金もらえてよかった」
と言われます。

本当にありがたいと思って受け取っています。

子は受験まっただ中で、クリスマスプレゼント何がいい?も聞いた時も

「プレゼントの代わりにすべり止め増やしていい?」

と言いました(笑)

浪人しないなら好きなだけコマ取っていいよと言ってあるのですが、恐ろしい額の振込票がしょっちゅう塾から送られてきます。


「個人授業ってみんなが取ってるの?」

と聞いたら

「そんなことないよ。そんなの先生が何人いても足りないよ」

と言われ、な、なるほどーとうなずくばかりでした。

私は高卒です。
進学したいと思いましたが、親の様子を見ると言えませんでした。

子は夢があり、資格を取るために進学が必要です。

その夢だけは手伝ってあげたいと思います。

そのためにも遺族年金、ありがたいです。

高校を卒業すると子供加算が無くなりますが、扶養のままなので特定扶養控除が受けられ、税負担が少し軽くなります。
第一種奨学金に採用されたので、このまま私が体調を崩さなければ、なんとかやっていける目途が立ちました。
子も、今まで部活と勉強に明け暮れていたので、バイトが楽しみのようです。

調停中は金銭面が心配でした。
生活費をくれない夫でしたが、安定した企業に勤めて転職もしていなかったので、浮き沈みが激しい営業職よりも安心感はありました。

しかし、慰謝料や養育費で折り合いが付かなかったので、あのまま諦めて離婚をしていたら、子に今のような状況を作り出してやれなかったかもしれません。

長生きをするつもりもないのですが、自分一人の生活になった後も、気持ちが楽だなと思います。

自分一人の生活だったら。

死別直後から、再婚について聞かれます。
「もう嫌なことは忘れて第二の人生!」
「安定のためにも再婚!」
と言われます。

ただこれを言ってくださる方は、ほとんどが婚姻関係を継続できている方です。
(幸せな家庭かどうかは外からはわかりません)

✖︎が付いている女性と話すと
「いやいやもう面倒だから」
の声が圧倒的です。
正直、私もそう思います。

中には
「再婚とかじゃなくて、一緒にコタツに入ってみかん食べる相手は欲しいかも」
という人がいました。

これについて、違う人と話したら
「でも、そのみかんの食べ方が気に入らなかったらどうする?」
と言われ、ものすごく同意しました。

バツイチ女性の了見が狭いわけではないです。

ただ、結婚というお互いに一定のルールや我慢を強いられる生活から自由になった今、その生活に戻りたいかどうかということ。

遺族年金受給者は、それに被せて
「再婚すると受給資格が無くなる。
離婚しても受給資格は戻らない」
という足枷があります。

老後、厚生年金をたくさん払っていなかったとしても、差額分は遺族厚生年金を受け取れます。

金銭がすべてではないのですが、一人で生きていくことを考えると大事です。

まして結婚で傷ついているのに、また危険を冒してまで再婚するか?

まだ死別から一年。
そこまで気持ちが行きません。

死別で苦しまれている方の「前夫に対する想い」は全く無いので、一緒にするなと思われる方もいらっしゃると思います。

一度籍を入れただけで両方経験し、おいしいとこどりなのかもしれません。
死に別れの苦しみは無く、養育費より安定した収入を得る。

ただ、この先本当に好きな人ができたら。
私はその人と遺族年金を天秤にかけてしまうのかもしれません。

この立場になってから気づいたのは
「昔ご近所にいたあの人、いっつも彼氏がいるのに再婚せずに同棲してたな」
「再婚を勧められても断り続けていたな」
といくつかの顔が思い浮かびます。

そう思うと、遺族年金は亡き夫が愛しい妻(うちは違うけど)につけた刺青のように感じてしまいます。

ありがたい制度だけれど、抜け出せない終身刑。
モヤモヤした気持ちか湧き上がってしまいます。




AD