精神科で抑うつ症状に対して処方されることが多い、漢方薬は補中益気湯です。
意欲低下、食欲不振に効果があります。
しかし、薬剤の出荷調整で補中益気湯が処方できなくなった時期があります。
その頃、人参栄養湯が抑うつ症状に有効であるという報告が多く、製薬会社の講演会も多くありました。
普段からこれまで有効であったことを経験している薬又は臨床成績が極めて有用な薬から処方したくないと思っています。
また、製薬会社の情報提供で処方意図を変えたくないという思いがあり、ずっと人参栄養湯の処方を避けていました。
しかし、コロナが流行しており、軒並み漢方薬が出荷調整されていたので、患者様に説明、ご了承をいただいた上で人参栄養湯を処方し始めました。
その結果、人参栄養湯の患者様からの評判は良く、補中益気湯の出荷が再開してからも人参栄養湯を処方している患者様は少なくありません。
今では、人参栄養湯は抑うつ症状に対する第二選択として位置付けています。
執筆
板橋区役所前メンタルクリニック
医師 藤林一保

