「他の治療でアトピー性皮膚炎が悪化しました」という患者さんが時々きます。
 「他の治療」とは、クリニックだったりいわゆる民間療法やアトピービジネスと思えるのだったり、いろいろです。

 分類してみると・・・

1.ステロイドを使わない
2.ランク的に低いステロイドを使っている(効くわけが無い)
3.極端に薄めたステロイドを使っている(実質ステロイドとしての効果がない!!)

 背景にあるのはステロイドに対する過剰なまでの忌避です。

 ある悪化した患者さんは、とあるクリニックで「大豆クリーム(臭い!!)」を処方されていました。院内処方のため患者さんは内容を知ることは出来ず、「ステロイドの入っていない大豆クリーム」としか説明を受けていません。この大豆クリームは商品名をグリパスCといいます。一般名は「脱脂大豆乾留タール・ジフェンヒドラミン」です。つまり、大豆を蒸し焼きにしたタールです。

http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2649857X1020_1_05/

 「大豆クリーム」と「大豆タール」で、受ける印象がずいぶんと違うと思いませんか?


 最近は少なくなりましたが、極端なまでの食餌制限で低栄養(低身長)になったり拒食症になった例もあります。゚(゚´Д`゚)゚。

 ワクチンでもそうですが、アトピー性皮膚炎の治療でもトラウマとルサンチマンが渦巻いているのを垣間見ることがあります。ステロイドを使わないことを、クリニックによっては「親の希望」・保護者(親)は「子供のために」といいますが
本当の被害者は誰なのか?

を考えてみたほうがいいと思います。


 念のため書いておきますが、「他の治療でアトピー性皮膚炎が悪化しました」という多くの患者さんは、その後適切なステロイド外用剤の使用とスキンケアで、お肌つるつるになりましたo(^-^)o

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