ようやく日本でも接種できるようになったヒブワクチンですが、基本的には三種混合ワクチン(DTP)と同時接種をします。同時といっても、一本の注射器に混合するのではなく、独立した注射器で基本的には左右の腕にそれぞれ接種します。

参考資料: http://www.jomf.or.jp/html/yobou_pdf/07.pdf

 しかし、正直言ってこれがすんなりと行われているのには、私は非常に奇異を感じます。以前ならば、同時接種を行おうものなら、医学上まったく問題ないにもかかわらずクソ地方公務員やかつてのクソ上司(橋下知事のまね)がそろって反対したものです。なぜかって?それは、責任を取りたくないからでしょう(断っておきますが、板橋区の話ではありません)。
 反対の根拠としては、同時接種をしてワクチンの副反応があった場合、同時接種をしたどのワクチンに副反応があったのか分からない、というものです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ワクチン#.E6.8E.A5.E7.A8.AE.E9.96.93.E9.9A.94  (太字追加しました)
1肢1本接種は上記免疫応答理論や接種本数の制限を受けてしまうので、受診者・渡航者の立場からは現実的ではない。また同日接種を否定することも、現実的で無いどころか世界的に観ても非常に奇妙な風習といえよう。日本で1回につき1本となっているのは、全身反応が生じた際の責任ワクチンの同定のためであると考えられるが、世界でその様な議論も出ないことも念頭に置くべきである。
 それが、ヒブワクチンが上市されると、いままで不可だった三種混合ワクチンとの同時接種がごく普通に行われる、というのはどういった理由でしょうか?ヒブワクチンと三種混合ワクチンを同時接種して何かしらの不具合が生じた場合、責任ワクチンは同定しなくてもいい、というのでしょうか?

 話は変わって、平成20年6月の全国衛生部長会議で、こんなやり取りがありました。厚生労働省の公式見解です(太字はこちらで変更しました)。

http://www.jomf.or.jp/html/yobou_pdf/07.pdf
A6)定期接種と任意接種では、健康被害が起こった場合の救済制度について違いがあります。これまで、定期接種と任意接種の同時接種をした後に健康被害があった場合、どう取り扱われるかわかりませんでした。ところが、平成20年6月に行われた厚労省「全国衛生部長会議」の席上で以下の質疑応答が交わされました。

<任意接種と同時に接種した場合の定期予防接種の取扱いについて>
平成20年6月5日 於:全国衛生部長会議

• (質問)
o 医師が特に必要と認めて定期接種ワクチンと同時接種した場合、定期接種ワクチンは適切に実施された定期の予防接種と認められるかどうか。
• (回答)
o 1 異なる種類の定期の予防接種の同時接種については、予防接種実施要領で医師が必要と認めた場合に限り認めている。
o 2 定期と任意の予防接種の同時接種については実施要領に特段規定がない。
o 3 安全な予防接種を維持し、被接種者の健康を守るためには、実施する医師の医学的に適切な判断に委ねられる。
o 4 同時に接種された定期分については、実施要領の通り(十分な予診、決められたワクチン接種量の遵守等)適切に実施されていることが求められている。

簡単にいえば、「同時に接種された定期接種については、実施要領の通り適切に実施されている限り、定期接種である」という回答のようです。
 実施する医師の裁量で決めることが書いてありますが、クソ地方公務員やかつてのクソ上司(橋下知事のまね)に裁量権があるとはどこにも書いていません(あたりまえか)。

 現在板橋区でも、見えない形で百日咳が流行中です。板橋区での三種混合ワクチンよりもBCGが先に打たれるという状況です。BCGを接種した場合次のワクチンまで一ヶ月ほど待たなくてはいけません。三種混合ワクチン接種を待っている間に百日咳になってしまった場合、誰が責任を取ってくれるのでしょうか?
 子供たちの中には色々な事情で、なかなか三種混合ワクチンが接種できない乳幼児もいます。特に一才になってもまったくワクチンをしていないという場合、MRワクチンを先に打つか三種混合ワクチンを先に打つか、悩むときもあります。素直に考えればMRワクチンを先に打つのですが、そうすると次のワクチンまで一ヶ月ほど待たなくてはいけません。もし、その間に百日咳になってしまったら誰が責任を取ってくれるのでしょうか?

 厚生労働省レベルで認めた同時接種を、クソ地方公務員やかつてのクソ上司(橋下知事のまね)は否定して、子供たちが感染しても責任を取ってくれるのかな?

 何度も断っておきますが、板橋区の話ではありませんm(_ _)m

 同時接種について気になった人はこちらもご覧ください。色々なところで戦っている人たちがいます。
http://www.kataoka-cl.com/doctor/medical_diary/2009/02/post-128.html